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2025年10月31日 11:43
【速報】「いじめのリスク高い」サッカー強豪校の特性踏まえた対応を 大津高校いじめ調査委員会が報告書

 熊本県立大津高校のサッカー部でのいじめ行為をめぐり、第三者による調査委員会が31日、報告書を提出しました。

 2022年1月に当時1年生だった男子部員が、上級生に強要され、全裸で土下座した様子を写真に撮られたと訴えていた問題で、弁護士や社会福祉士ら4人による調査委員会が設置され、2024年1月から審議してきました。

 委員会では被害生徒や保護者、その他の生徒や学校関係者など20人から聞き取りを実施。調査の結果、上級生から指示されて、複数の生徒がいる前で裸で土下座をさせられた行為について、いじめ防止対策推進法のいじめの重大事態に認定するのが相当としました。

 また、当時、サッカー部で、あだ名をつけたり、失敗を茶化すなどの「いじり」と呼ばれる行為が日常的に繰り返されていたことも、今回のいじめの遠因、原因になった可能性を否定できないとしています。

 学校の対応については、いじめが発生してから約1年半後に被害者側からの連絡で認知するなど、いじめに対する教育・指導等の体制や相談体制が不十分だったと指摘しています。

 調査委員会では、大津高校のサッカー部が強豪校であることにも着目。当時、全校生徒の26.6%、200人近くのサッカー部員が在籍するなかで、多くの生徒が進学当初の夢を実現できない状況にあり、サッカー部はいじめが発生しやすい状況にあるとしました。

 そのうえで、指導にあたっては、いじめが発生するリスクが高いことを十分認識し、一般的ないじめ防止対策にとどまらず、集団の特色に応じた具体的な工夫が望まれるとして、次のような対応を学校に提言しています。

・指導者が生徒の特性に対する知識やスキルをにつけるための専門知識を踏まえた研修

・いじめ情報を早期に把握できる体制の構築

・生徒に対するいじめ予防教育の強化

・サッカー部についての十分な情報の提供(入試前から)