火葬料金を巡るニュースです。無料の自治体もある一方、東京23区では9万円もかかります。そこで火葬事業を行う会社が費用を抑える秘策を発表しました。
■なぜ?東京火葬料金が高騰
70代の人 「やっぱり高いですよ、大変ですよ」
60代の人 「9万円というのが高いのか安いのか分からない」
都民から疑問の声が上がったのは、全国でも突出して高い東京23区の火葬料金についてです。
総務省の調査によりますと、横浜市は1万2000円、さいたま市は7000円。隣接する県が1万円前後なのに対し、23区は9万円です。なかには無料の自治体もあります。
80代の人 「高いですね。2、3万円でいいんじゃないか」
なぜ23区の火葬料金だけここまで高いのでしょうか。そこには23区特有の事情がありました。
全国で稼働している火葬場の約97%は公営。維持や管理には公費が使われています。
一方、23区では9カ所の火葬場のうち7カ所が民営。公費の投入は限定的で、利用者が費用を負担する仕組みです。
23日に会見を開いたのは民営7カ所のうち6カ所を運営する東京博善。なぜ火葬料金は9万円なのでしょうか。
東京博善 野口龍馬社長 「火葬の原価が8万円という状況になってきている。固定費の割合が高くなっていて、今期は9万円いただいても赤字」
燃料費や人件費などの高騰が重なり、4年前は5万9000円だった火葬料金は去年、9万円に定められたといいます。
60代の人 「うちの母が亡くなった時は民間だった」 「9万円だけで済まないから。(火葬料金は)全体の一部だから。どうしても冠婚葬祭には弱みが…使ってしまうので」
火葬料金の負担が増す一方で、葬儀にかかる費用を抑えようと、あるサービスが試験的に始まっています。
その名も「夕刻葬」。
東京博善 野口龍馬社長 「夕方、午後6時から告別式を行って、午後7時から火葬、夜の火葬を実施する。午後8時半まで火葬を待つ間、食事をする時間をいただいて、その後、収骨してお帰りいただく」
一般的な葬儀は通夜、告別式を2日かけて行います。
一方、夕刻葬は午後6時に告別式、午後7時から火葬。その待ち時間に食事を取り、午後9時までに終了します。
費用はどれくらい変わるのでしょうか。
東京博善 野口龍馬社長 「式場も26万円の部屋を夕刻葬の場合は18万円で利用いただける」
2日に分けて通夜、告別式を行う一般的な葬儀の場合、式場にかかる費用が税別で約26万円。
対して、午後6時から3時間で行う夕刻葬は式場の費用が18万円。
火葬料金が9万円かかっても式場の費用は8万円抑えられる計算です。
70代の人 「(夕刻葬だけでは)ちょっと寂しい。その人の一生が終わるんだから、皆の気持ちに残るぐらいやってあげるのがいいのかなと」
60代の人 「短時間で済むことと簡略化されているということ、予算的にも楽じゃないか。家族ならそれで十分」








