世界トップレベルの研究力が期待される大学を支援する「国際卓越研究大学」について、文部科学省は新たな認定候補として東京科学大学と京都大学が選ばれたと発表しました。
国際卓越研究大学は世界と渡り合う研究力や社会に変化をもたらす研究成果が期待されるとして、国が10兆円規模の大学ファンドの運用益を活用して支援する大学です。
認定されると最長25年の支援を受けることができ、去年11月には第1号として東北大学が選ばれました。
2回目となる公募について有識者会議による審査状況が今月19日に公表され、東京科学大学と京都大学を認定候補とすることが適当と判断されました。
東京科学大学は来年4月から体制強化計画を開始し、京都大学は大学が提出した計画案を最長で1年間、磨き上げたうえで開始するとしています。
東京科学大学の計画は研究者が専門や学術分野にかかわらず、「持続可能な未来の実現」や「災害・パンデミックに強い社会」といった社会ビジョンごとに研究教育を担う学内体制に転換するとしています。
また、企業などへの病院内ビックデータの提供や医療現場の開放、AI(人工知能)活用などによって臨床系教員の研究時間を確保することなどを掲げています。
東京工業大学と東京医科歯科大学との統合を2年間で完了させた推進力を生かして、「新たな研究大学モデルの創出を期待したい」と評価されました。
京都大学は閉鎖的な部局小講座制から研究領域ごとを基本とするオープンなデパートメント制を導入する計画です。
全体で約40の組織単位に分け、デパートメント内で柔軟に戦略的な人事や投資などを行い、若手研究者も活躍できるような環境作りを目指します。
歴史や伝統のある大規模な大学として、挑戦的な改革構想を掲げている点などが評価されました。
一方、東京大学については執行部が部局とより一体となって判断・責任を負う法人としてのガバナンス体制に移行することなどを確認するために最長1年間の審査を継続し、認定候補とするか判断するとしています。
2回目の公募にはこの3大学のほか、大阪大学、早稲田大学、九州大学、筑波大学、名古屋大学の合わせて8校が申請し、有識者会議による面接や現地視察、大学関係者との意見交換などによって審査が実施されてきました。
次回の公募については東京大学の審査状況などを見て判断するとしています。









