KABの社内は、お屠蘇気分も抜け、早くも仕事全開のムードになってきた。といってもボクのことではない。ボクは窓際族だから、ボーッとして「うわごと」をつぶやいていればいい。それに対してアナゴ社長はじめ社員たちは必死で(?)走り回っている。今年も働け、働け。ボクは実にいい気分だ。

表彰先週の仕事始め。挨拶に立ったアナゴ社長が突然、「これから表彰式をする」と言いだした。はて、そんな話は事前に聞いていないし、何のことだろう。と思っていたら、「会長、前へ」と声がかかった。えっ、ボクのことか。昨年末にこのコラムが300回に達したので、それを表彰するということだった。

ボクは「金一封を欲しい」とは言ったが、表彰してくれなんて、思ったこともない。戸惑うボクには構わず、アナゴ社長は朗々と表彰状を読み上げた。これは名文(迷文)だ。ぜひ紹介したい。

「あなたは社業を統括する立場にありながら、仕事を社員に押し付けコラム執筆に専念し迷文を書き続けて六年間。社員の顰蹙(ひんしゅく)にもめげず連載三百回を達成しました。わまかし(熊本弁で、ひやかす、はぐらかす、まぜっかえすという意味)まくった内容の過激さから多くの社員の怒りを買いましたが、一方で多くの人が毎週楽しみにするなどKABのファン獲得に大きく貢献しました。そこで、ここに記念品を贈呈し表彰します」だって。

表彰

そのうえで、記念品として超高級日本酒一升原稿用紙三百枚爪楊枝三百本を頂いた。ボクは金一封を要求したが、アナゴ社長は「会長に使うようなムダ銭は一銭もない」とはね付けた。こうなれば日本酒を売って現金に換えるか。ちなみにコラムの一回分は四百字詰め原稿用紙四枚分だから、原稿用紙はあと900枚が必要だ。ところで爪楊枝はどういう意味だろうか。爪楊枝は歯をせせる(熊本弁で、ふれる、つつきいじるの意味)ものだ。そうか、表彰とは名ばかりで、鼻先で「せせら笑う」というのが本音か。アナゴ社長のことだ。それくらいやりかねない。

それはともかくとして、表彰されるのは嬉しいものだ。まずは感謝しよう。ボクも大人だから、素直に喜んでおこう。そこで、ハタと思いついた。表彰を受けたということは、これからもずっとコラムを書き続けるということにならないか。ボクは適当な時期に打ち切りにするつもりだったが、すぐにというわけにもいくまい。その重圧で、ボクは新年早々、二歳も年を取ったような気がした。アナゴ社長も、なかなかの策士だなあ。

さて、3月には県民が待ちかねていた新幹線が開通する。そのイベントとして3月19日「城下町くまもと 時代絵巻」を展開する。加藤清正や細川幽斎らの甲冑行列、夏目漱石、小泉八雲らの人力車隊など千人規模で熊本駅から熊本城までパレードする計画だ。主催は青年会議所など各界の代表者で構成する実行委員会だが、KABとしても黒子として責任を負わされることになった。実施まで三カ月もなく、いまや時間との勝負になってきた。だからアナゴ社長はじめ社員たちが目の色を変えて走り回っているわけだ。失敗は許されない。下手をすると県民から鼻先で「せせら笑われる」ことになるだろう。

ヤッちゃんのタメ口

先月、暮も押し迫る中オレ様は突然社長に呼ばれた。「話があるんだが社長室に来て欲しい」。社長様がオレ様に話とはいったい?何かやらかしたかな~。(心当たりはボチボチと)それとも…!!少しドキドキしながら社長室に入るなり「ドアを閉めてくれ」(社長室、会長室のドアはいつもオープンされている)これはますますもって重要な話か。となるといよいよオレ様は…
すると、突然社長様はニコニコ笑いながら「会長の300記念に何かやろう!」と話されるではないか!「何だ会長のことか…」と心の中で一瞬思いはしたが、あれほどコラム上でけちょんけちょんにけなされているにもかかわらずそのような事を考えていらっしゃるとは!改めて社長様の懐の広さに感激してしまった!!
その後、社長様から出るわ出るわいろいろなお祝いのアイディアが。時が過ぎるのも忘れいろいろ話し合った結果、お金では感謝の気持ちが伝わらないだろうと言うことで(ボケ防止なのだから逆にこちらが感謝して欲しいぐらいだ!)社長様秘蔵のウルトラスペシャルグレート日本酒(ほとんど手に入らない幻の酒だ!)。もっともっと頑張っていただこうと言うことで高級原稿用紙300枚。そして、ちょっとしゃれを効かせて“つま(妻)”楊枝300本を贈ることになった。更に、社員全員を集めての年頭あいさつの時に表彰まですることになったのだ。あ~あ、社長様はなんと心の広いお方だろう。それに引き換え未だに派閥争いを気にしている会長は…。
何はともあれ会長には喜んでもらえたようだ。賞状を手にしてのこの表情はどうだ!

笑顔の会長

我々の広い心で面倒を見てやるから、これからも健康でいて400回・500回とコラムを書き続けてくれ!
そうそう、このコラム300回達成には“唯一の会長派”でしっかりしつけをした“コケボウ”の力があったことも改めて述べておきたい。