ある団体の会合が人吉で開かれた。で行こうと思っていた。しかし、早春のポカポカ陽気に誘われて鈍行列車で行くことにした。ボクはどう言う訳か鈍行が好きだ。ひとつには子供時代に帰る事ができるからだ。小学生のころ海水浴や潮干狩りに行ったことを思い出す。当時は蒸気機関車で、車窓から煤煙が舞い込んできた。もうひとつは我が人生の来し方を振り返ると、鈍行で旅行したようなものだからだ。さらに今回は車窓から春の先駆けを見つけることができるかもしれないという余禄もある。

10時過ぎ、上熊本駅から乗車。あっという間に八代駅に着いた。ここで人吉行きに乗り換えだ。目の前にオンボロの1両だけの列車が止まっている。乗り換えの列車は何処だろう。向かいのホームに洒落た列車が止まっている。多分、それだろうと息を切らして階段を登り降り。洒落ているはずだ。九州横断特急だった。慌てて元のホームに戻り、オンボロ列車に。満席だったが、幸い、席を譲ってくれた人がいて、辛うじて座る事が出来た。ちょっと待てよ。ひょっとしたらボクは老人扱いされたのではないか。断乎、断わろうと思ったが、大人気ないので甘えることにした。ボクの気分とは関係なく、客観的にみるとやはり老人の部類なのか。これまた鈍行に乗ったお陰で分かったことだ。

車窓からふりそそぐ陽光は程よい温かさで、ついウトウトしてくる。球磨川も澄み切り、輝いて見える。川岸の菜の花はほぼ満開だ。サクラの花は少し蕾が膨らんだくらい。と思っていたら、途中の駅前のサクラは4、5輪開花している。ソメイヨシノだろう。次の駅では5分咲きのサクラだ。葉っぱも開きかかっており、ヤマザクラに違いない。木々の芽吹きはまだ先のようだが、日当たりのよい場所ではうっすらと緑がかっている。いま花盛りといえばアセビ(馬酔木)。壺形の白色や薄紅色の花がびっしり開いている。花の少ない時期だけに、車窓からもひときわ華麗に見える。

いよいよ人吉駅だ。駅舎の側のホームにカメラを持った人達が群がっている。なんとホームにはSL人吉が停まっているではないか。そういえばSL人吉の運行は、この日からのスタートということを思い出した。すぐそばで眺める蒸気機関車は重厚で、力強さに溢れ、ついウットリとしてしまう。あれではファンも多いはずだ。煙突から吹き出す煙も風情がある。やはり車でなく、鈍行できてよかった。

温泉宿に一泊した。翌朝、窓の下を眺めると2本の枝垂れサクラが5分咲きぐらいだ。枝垂れサクラは普通、ソメイヨシノの後で咲く。宿の人にサクラの品種を訪ねたが「枝垂れサクラ」としか分からないそうだ。

それはそれとして今度の土曜日(22日)はいよいよ時代絵巻が開かれる。午後1時にシンボルロードで出陣の儀を行い、熊本城内を行進して3時から二の丸で着陣の儀がある。甲冑部隊は自衛隊員など約200人。加藤清正には玄海竜二さんが扮する。前日の21日には午後1時から同じ二の丸で「くまもとをどり」が披露される。こちらはのべ1000人の町衆が踊りを展開する。沢山の企業や団体などからの協賛を得て行われる。一人でも多くの皆さんにぜひ見てもらいたい

S姉さんのひとこと

鈍行列車の旅ですか、いいですねぇ。
普段、列車に乗ることはあまりないのですが、旅先などで鈍行列車に乗ると、地元の人たちの方言などが聞こえ、日常生活が垣間見え、ゆったりした気持ちになります。
この季節は花も咲き乱れて、車窓の風景もより華やかですね。
さて、すっかり恒例となった「時代絵巻」も、いよいよ今週末ですね。
あわせても見頃になると良いのですが、どうでしょうか?
私も楽しみにしています。