このところというか、かなり以前から正常な親子関係が崩れているような気がする。ある大学の先生と話していたら「最近の母親はひどい」という。なんでも講義を聴こうとしない学生を叱ったら、母親が「なぜうちの子供を叱るのか。他にも騒いでいる学生がいるではないか」と抗議してきたそうだ。しかもそれは特殊な例ではなく、年々、増えてきているそうだ。大学生といえば社会人としても通用する年齢だ。それが母親に告げ口するとはどういうことだ。それ以上に抗議にくる親の心理も理解できない。

これが中学校、高校ともなると、もっとすごいことになっている。多少でも問題が起きると「教育委員会に訴える」と学校に押し掛ける母親が増えている。こういう親は、いくら説明しても理解してくれないらしい。どうやら自分の子供は絶対に正しく学校が間違っている思い込んでいるらしい。学校から10分とか20分のところに住んでいても、登下校はマイカーで送り迎えする母親も。「送り迎えはやめましょう」と指導しても、「登下校時に何かが起きたら、学校はどう責任をとってくれるのか」と文句を言われることも珍しくない。

学校はともかく、会社でも同じようなことが起きている。新入社員厳しく教育すると、やはり母親が会社に文句を言いに来る。異動を内示したら「受けるかどうか、母と相談して決めます」と言われたケースも。一人前の会社員自分のことも決められないとはどういうことか。入社試験の書類母親が取りに来ることもある。就職先も親と同居したいということで自宅の近くを選ぶなんてことは珍しくもなんともない。他県に異動するのなら会社を辞めるということも。

いずれも共通しているのは一人っ子の男性ほとんどということだ。母親は子供を溺愛し、常に身近に置きたがる。子供もそれがおかしいとも思わず、母親依存に浸りきる。小学生のころから、そういう家庭教育を受け続ければ、やはりおかしくなってくるだろう。ただ女性の場合は反抗期の年頃になると、母親批判も芽生えてくるので、男性ほどひどくはない。ちなみに高校でも大学でも、女性のほうが元気がよく、男性のほうがおとなしいというのが普通らしい。わが社の入社試験の面接でも、共通した現象がみられる。

もうひとつ心配なのは、両親に「親」としての自覚があるのかどうかだ。祖父、祖母と同居が当たり前の時代は、祖父、祖母が「親」としての教育を両親に教え込んでいただろうし、隣近所のお年寄りもその役割の一部を担ってきた。それが核家族化が進み、各家庭が独立して社会との絆薄れてきたのだ。もちろん学校教育でも育児や子供の躾を教えることもなくいびつな形の親たちどんどん増えていく。こんな世代が2代、3代と続いていくと、どんな子供たちが育っていくのだろうか。

最近の世相を見ると、さしたる理由もなく人を殺したり行きずりに殺傷する事件が目立って増えてきた。これも教育不在の家庭が増えてきたことが背景にあるのではないか。さしたる根拠のある話ではないし、いささかこじつけ気味でもあるが、そう思わざるをえない。社会現象としてもっと掘り下げて探究する必要がありそうだ。これも高齢化が進んできた証拠だろうか。

S姉さんのひとこと

あら、まあ、なんとしたことでしょう
子どもが中学生や高校生ならともかく、大学生や社会人でも親が抗議に、ですか?
この場合、子どもの方が、親になんとかしてほしくて訴えているのでしょうか、それとも、子どもが言ったことに対して、親が過剰反応しているのでしょうか。
いずれにしても、なんとも微妙な気持ちになります。
私も、子どものことではなくても、ちょっと、自分の態度を見直そうっと…。