見えない全容 ~水俣病70年~

番組概要INTRODUCTION

5月、水俣病の公式確認から70年を迎えた。化学工業メーカー「チッソ」が、メチル水銀を含む排水を流したことによって引き起こされた公害病で、不知火海の沿岸部を中心に甚大な健康被害が広がった。国はこれまで、沿岸部の住民を主な対象として救済策を講じたが、住んでいた場所によって救済するか否かを決める「線引き」を行ったため、救済を受けられない人が続出した。
私たちは、公式確認70年を機にアンケートを実施し、被害を訴える約1200人から回答を得た。不知火海から遠く離れた内陸部や中山間地でも、多くの人が健康被害を訴え続けている実態が浮き彫りになった。鹿児島県伊佐市で生まれ育った回答者を訪ねると、「旧国鉄山野線に乗ってやってきた行商が魚をここで売り歩いていた」という証言が次々と出てきた。「行商ルート」によって、メチル水銀に汚染された魚が流通していたというのだ。


国は今年度、「住民の健康不安を解消すること」を目的として、不知火海沿岸部を対象とした1000人規模の健康調査を始める。
「死ぬ前に調べてほしい」。被害を訴えるすべての人の「叫び」は国へ届くのか。

放送日時ONAIR

2026年7月14日(火) 午前10時10分 放送

ナレーター:宮城さつき