水俣病患者らとの懇談中、環境省の職員が強制的にマイクの音を切った問題。
司会を務めた職員(1日)
「事務局の不手際でございました」
担当者は当時、事務局の不手際としていましたが、環境省が9日夜に公表した台本には「3分でマイクオフ」と明記されていました。
「時間を短くしたから後でしゃべらせろと言われた場合」など、状況ごとの対応方針が書かれ「持ち時間が近づいた場合」の対応として「3分でマイクオフ」としていました。
司会が冒頭で読み上げる文面にも「マイクをオフにさせていただくことがあるかもしれません」と書かれていましたが、実際には読まれませんでした。
司会の職員は「焦って読み飛ばした」としています。
この問題をめぐって懇談の場に同席していた熊本県の木村知事は、10日の会見で、環境省の対応に苦言を呈しました。
木村知事
「簡単に申し上げれば、残念に尽きます。私はその日、大臣を送り出す際に、一緒にいた秘書課長に、これじゃあかんですよ。見直さなきゃいけませんよ、キツキツの日程を組まん方がいいですよと伝えました」
木村知事は、マイクを切る対応について、事前に知らされていなかったとした上で、今後は、制限時間も見直すよう求めました。
一方、伊藤環境大臣は、今回の問題を受け、環境省の水俣病担当者を増やすなどして、水俣病患者らと懇談する機会を作っていく考えを示しました。
伊藤環境大臣
「この問題が(数十年たっても)終わっていない責任は環境省に多くあると思う。環境省の幹部、担当の各レベルで現地を訪問して、懇談する機会を多く作っていきたい」
また、被害者団体によりますと、懇談のあった1日以降「なぜ制限時間を守らなかったのか」などと被害者を非難する電話が数件かかってきていて、被害者団体側は「制限時間を守るよう努力していた」と説明しているということです。