熊本市の大西一史市長は15日、国に内密出産の法制化を要望しました。
大西市長はこども家庭庁を訪問し、三原じゅん子内閣府特命担当大臣に要望書を手渡しました。
内密出産は、妊娠を周囲に明かせない女性が病院以外には身元を明かさず出産できる仕組みで、国内で初めて導入した熊本市西区の慈恵病院は、これまでに40人以上を受け入れています。
国は2022年9月、医療機関や自治体に求められる手続きを示したガイドラインを公表しましたが、法制化には至らず、子どもの出自を知る権利や母親への支援、子どもの養育といった課題は残されたままです。
熊本市は、要望書で母親の身元情報を管理する公的機関の設置などに向け法整備を含めた検討を急ぐことや、24時間365日対応の相談窓口の整備と周知、幼少期からの性教育の推進を求めました。
大西一史市長
「日本でもこうしたことを法制化することによって、最後の砦である内密出産制度が安定的なものになっていくと感じている」
要望を受け、こども家庭庁は、法制化には課題があるとしたうえで、2014年に内密出産法が施行されたドイツなど海外の事例を研究していくとしています。