統計史上初めて、全国で最も早く16日に九州南部が梅雨入りし、17日には奄美地方が梅雨入りしました。
■九州南部とは?
気象庁が地方気象情報などで用いる「九州南部」とは、鹿児島県と宮崎県。熊本県は、山口県、福岡県、大分県、佐賀県、長崎県ととともに「九州北部(山口県を含む)」に含まれています。
宮崎県や鹿児島県に隣接する熊本県南部。梅雨入りした宮崎との県境に位置する人吉市の牧場を訪ねました。
75頭の乳牛を周年野外放牧で飼育している島津牧場。年間320トンの生乳を熊本県内の組合に出荷しています。
標高およそ600m、熊本と宮崎の県境に位置していて、農場があるのは宮崎県えびの市です。
平年より2週間ほど早い梅雨入りで、仮に梅雨明けも早まってしまうと影響があるといいます。
島津さん
「早く梅雨に入ったことによって、早く梅雨が明けてしまうことによる暑さ、ホルスタイン乳牛は、暑さに弱い牛なので、それによる乳量の低下が心配です」
牛の体調が万全でないと、搾乳量が1頭あたり3~4キロほど減る可能性があるといいます。
体力が落ちないように、食べやすいえさを作りますが、そのえさとなる牧草にも、早い梅雨入りが影響するおそれがあると言います。
島津さん
「今から梅雨に入ってしまうと、全然太陽の光を浴びていない状態で伸びてしまう。栄養価の面でも出てくるのかなと思うし、いい牧草がとれなかったときが心配です」
牧草は100%自給で、6月上旬に刈り取る予定ですが、十分にとれない場合は購入することも検討しないといけません。
島津さん
「牧草を買うのが一番経営的には圧迫になってくるので、経営的には厳しくなってくる」
気候変動とうまく付き合いながら、質のいい生産のための試行錯誤が続きます。
島津さん
「気候を変えるということはできないので、今年できることを一番やらないと、収入をあげながら経費を落としていくのを考えながらやっていかないといけないのかな」