熊本県八代市日奈久の田園地帯でサーモンの陸上養殖を手がける企業「ひらやま」。元は段ボールメーカーですが、6年ほど前に養殖を始めました。
平山社長
「ノルウェーサーモンに負けないような国産のサーモンができないかと思って、それから始めたんですね」
日本の水産物輸入量で最も多いのが、サケ・マス類。国際情勢が不安定な中、国内産のサーモンを安定供給することに需要を見出しました。
卵の状態で入荷し、人用の粉ミルクなどエサにもこだわって育て上げ、およそ1年3カ月で出荷します。
最大の特徴は真水を使用する点。海水を引ける場所でなくても、スペースと電源、水道を確保できていれば、どこでも養殖することが可能です。
平山社長
「赤潮が発生したりアニサキスが増えたりしているけど、それがこの陸上養殖にはないんですね。台風の日でも地場の魚を市場に出せたり、消費者に提供できたりするのが陸上養殖のメリット」
脂の乗った自慢のサーモンは「桃太郎サーモン」と名付け、年間10万匹を出荷しています。
さらに6月から本格的に始めるのが海外進出です。
平山社長
「台湾から広めていこうということで、取り組みを始めました」
輸出の際に重要になるのがサーモン色チャートと呼ばれる指標。川での養殖は身が赤くなりやすく「マス」に分類されてしまうため、海外ではなかなか買い手がつかないと言いますが、陸上養殖で理想的な色味を出すことに成功しました。
その味わいは…
田中杜旺アナウンサー
「脂がのっていて甘くて美味しいですね。クセや臭みがないので海外の方にも好まれると思いますね」
平山社長
「日本の技術は世界でも認められているので、日本のサーモンも安心安全というのを海外に広げていこうというのが私の思い」
年内には、香港やイギリスへの輸出も計画しているということです。また、6月にはサバの陸上養殖も始める予定だということです。