大阪府泉佐野市は、いわゆる「赤ちゃんポスト」を来年度にも設置する方針を明らかにしました。慈恵病院の蓮田健院長は、期待感とともに懸念も示しています。
蓮田院長
「大阪という大都市に赤ちゃんポスト、内密出産ができるということは、とてもありがたい」
親が育てられない子どもを匿名でも預かるいわゆる「赤ちゃんポスト」は、2007年に熊本市西区の慈恵病院が国内で初めて設置。今年3月には東京都の賛育会病院にも設置されました。
大阪府泉佐野市は29日、「赤ちゃんポスト」の設置と病院以外には身元を明かさず出産する「内密出産」の受け入れに向け、早ければ来年度にも体制を整備する方針を明らかにしました。実現すれば全国で3例目となります。行政主導での運用はこれまでに例がありません。
これを受けて、蓮田健院長は次のように語りました。
「泉佐野市の税金なのに地域の人ではない人たちが利用した時に、それをどう捉えるのかが、自治体レベルで予算を付けた時の問題になる」
税金が投入されることについて社会の理解を得られるのか、懸念を示しました。
また、内密出産の費用について、東京の賛育会病院が、原則として女性に請求する方針であることに触れ、無料にすべきと強調しました。
一方、熊本市の大西一史市長は「自治体がするというのは、大きな覚悟が必要だと思う」としたうえで「孤立した女性がなんとか救いを求めることができる、そんな取り組みにつながれば望ましい」と語りました。
慈恵病院は、今後、泉佐野市から依頼があれば、意見交換するなど連携していきたいとしています。