熊本市の住宅でネコの多頭飼育崩壊が確認されました。かろうじて13匹が保護されましたが、多頭飼育崩壊によって、100匹以上のネコが大量死する事態となっています。
佐藤由季アナウンサー
「現在、ネコの姿は見られませんが、近所の方によると3年半ほど前から異臭がしていたということです」
山積みになったネコのケージ。
熊本市北区の住宅では、ネコの保護活動をしていた女性が、預かったネコを飼育し、里親を探す活動などをしていました。
近隣住民
「みんな知っている。あそこはネコを見に行くと、エサにありつけないので、寄ってくるのです。普通は、よそ者には慣れないのに」
「たまに行くとパーッと嫌な臭いがしてましたよ。(まさか死んでいるとは思わなかった?)そうそう」
この女性にネコを預けた人が、女性が所属するボランティア団体によせた手紙です。
写真を送ってほしいとお願いしても送ってもらえず、引き取りにいく当日になって、突然、ネコは死亡したと連絡があったといいます。
(手紙より)
「遺体を引き取りにいくと皮膚が一部はがれて、手足は糞尿まみれで、変わり果てた姿でした。敷地はゴミだらけで、家の中は、足の踏み場もないほど糞尿まみれで、他のネコの死骸までありました。車の中からも、キャリーに入れっぱなしの死骸も見つかりました。ネコを検視にまわすと、胃の中は空っぽで、皮膚は糞尿、または湿気のある場所に長く置かれて剥がれただろうとのこと」
敷地内からは、100匹以上のネコの死骸が見つかったということです。
去年夏、この女性にネコを預けたという夫婦は「去勢手術しないといけないと言われたので、どういう病院でされているのかも聞いて、病院の先生が『その方ならよく来られてて、よくされてますよ』って言われたので、もう信用して。手術とかしなくちゃいけないので1万2000円払って。本当に一生懸命猫ちゃんの世話をされていたんです。まさかこんなことになるとは思いもしなかった」と語りました。
KABの取材に、ネコを預かっていた女性は「キャパシティーを超えてしんどかった。本当に申し訳なく思っています」とコメントしてます。
なお、敷地内からは、生きたネコ13匹も見つかりました。13匹はボランティアなどによって救出できましたが、やせ細り、感染症の疑いがある状態です。
多頭飼育崩壊を起こした女性が所属する動物愛護団体の代表は、先週までこの状況を知らなかったと言います。
代表
「一番は私が気づいてあげられなかったというのが、彼女にも申し訳ないし、ネコにも申し訳ないです」
2日にネコの救出を手伝った別の愛護団体の代表は「未避妊かな。というのは、きのう聞いたところ成猫だと5,6ヵ月には手術をするが、それがほとんどできてなかったと。お金だけいただいて、手術とかワクチンとかまったくく行っていない状態だと思います」と話しています。
熊本市の動物愛護センターは、動物愛護管理法の虐待行為にあたる可能性もあるとみて詳しく調べているということです。