イスラム教の祝日にあたる犠牲祭が熊本で開かれました。世界で戦禍が絶えない中、平和への祈りが捧げられました。
熊本城の二の丸広場に続々と集まってきたのは、世界各国から熊本に移り住んだイスラム教徒。全世界で9日まで行われているイード・アル・アドハー、犠牲祭の参加者です。
犠牲祭は、イスラム教の重要な宗教行事で、地域の絆を確かめ、家族や恵まれない人と食べ物を分け合う習わしがあります。
熊本市内では、これまで、屋内のモスクで開催してきましたが、インドネシアからの技能実習生の増加などを背景に、開催規模が年々拡大。熊本市から二の丸広場の使用許可を得て、今回初めて屋外で開かれ、およそ700人の参加者が祈りを捧げました。
出身地は、アジアやアフリカなどさまざまです。
参加者
「インドネシアです」「バングラディシュ!」
「いろんな国のイスラム教徒の人たちがここにきてお祈りしました。心の中から楽しいです。うれしいです。ありがとうございます」
一方、宗教指導者による講話で語られたのは、イスラエル軍の攻撃が続くパレスチナ自治区・ガザ地区などの平和への願いでした。
AP通信などによると、ガザ地区では、イスラエル軍による空爆などによって、犠牲祭の期間中である8日にも少なくとも104人が死亡するなど、停戦の行方を見通せない状況が続いています。
参加者
「私たちは平和に過ごすことができるんですけど、パレスチナの人たちは戦争の時期を過ごしているので、すごく悲しい気持ちになっています」
「もちろんガザには大変なことが起きていますが、私たちは何もできない。ここでお祈りだけをして、ムスリムの人たちは世界の平和のためにお祈りをする」
イスラム教徒が共に祝う犠牲祭。熊本からも平和の祈りが捧げられました。