熊本県内の児童養護施設の職員から性被害を受けたとして、入所していた女性が当時の施設長などに損害賠償を求め、提訴しました。
女性
「自分のような思いをする子が、これ以上出ないように、施設の責任も認めてもらいたいと裁判を決めました」
提訴したのは九州在住の平山ひかりさん(仮名・24歳)です。
中学2年生だった2014年ごろから数年間にわたり、入所していた荒尾市の児童養護施設で、男性職員から性被害を受けたと訴えています。
高校1年生の時には妊娠し、中絶を余儀なくされたといいます。
この男性は2022年平山さんに対する児童福祉法違反の罪で、懲役1年10カ月の実刑判決を受けました。現在は出所しています。
今回平山さんが提訴したのは、施設の当時の施設長の男性と、施設を運営する社会福祉法人です。
訴状などによると、当時の施設長らは平山さんの性被害について、平山さん以外の入所者らから報告されていたにも関わらず、適切な処置を怠り、被害の拡大を防止するべき義務を尽くさなかったなどとして、2200万円の損害賠償を求めています。
平山さん
「とある人に『今まで変わっていないのだから、あなたが発言しても社会は変わらない』と言われました。その雰囲気を出している社会がそもそも間違っていると感じています」
施設を運営する社会福祉法人は「訴状が届いていないので、現時点でのコメントは差し控える」としています。