予約した飲食店に高級なワインを仕入れさせ、金を振り込ませようとする行為が熊本市で発生しています。
(店長)
「一番最初に(怪しいと)思ったのは予約された番号にこちらから電話した時に『電話番号が現在使われておりません』ということだった」
6月27日の夜、熊本市内の飲食店に「渡辺」と名乗る男性から1本の電話がかかってきました。
「大学病院の関係者なんですけど、6名で1人1万円の予算で予約してほしい」
よくある内容の予約電話でしたが、電話の最後に…
(店長)
「これから先のやり取りをLINEでしたいので、IDを教えていただけませんかということだったので『それは教えられません』と話したんですけども」
いったんは断ったものの、店長は押し切られる形で個人のIDを教え、その後はLINEでやり取りしたといいます。
そして、予約当日の昼頃、LINEで電話がありました。
(店長)
「ちょっと高いワインなんですけど、それを3本用意してほしいと」
依頼があったのは、仕入れ価格で1本およそ20万円ほどする高級ワインを3本用意して欲しいというものでした。
(記者)
「わりとある話ですか?」
(店長)
「ないと思いますね。高級なワインをその日に仕入れて開けるって、まずないので、そのぐらいから怪しいなと思っていましたね」
不審に思った店長が『用意するのは難しい』と断ると「渡辺」と名乗る男性は、次のような提案をしてきました。
(店長)
「大学で取引している酒屋が持っているという話になって、飲食店さんから電話してもらったら安くなるかもしないので、電話してもらえませんかっていう話」
指定されたのは、長崎県内に実在する酒屋で、担当だと伝えられた「上田」という男性に連絡したところ「ワイン代を先に振り込んでほしい」という話に。不審に思い、店側から予約のキャンセルを申し出たということです。
取材にあたった記者が、その酒店に電話して話をきいてみると「先週末から、九州地区の飲食店から同様の問い合わせが複数あるが、そのような社員はおらず、関係はありません」との回答。
(店長)
「ちょっと迷惑ですよね(予約が)6名だったからまだ何とか…これが12名だったり、貸し切りだったら、損害はかなり大きい。まるまる週末がなくなるのと一緒なので」
熊本県内の酒店に聞いたところ、先週から同じような事案が複数起きていて、注意して欲しいと話しています。
なお、今回取材に応じた飲食店は「実在する大学病院や店の名前を使って話を進めてくるので、最初のうち信じてしまったところがある」と話しています。
先週末から同様の事案がおきているということなので、注意が必要です。