ハンセン病とされた男性が、無罪を訴えながら死刑となった菊池事件の裁判のやり直しをめぐる協議が終了し、再審開始の可否が来年1月末までに判断されます。
7日、最後の協議を前に、熊本地裁前で弁護団が集会を開きました。
弁護団代表
「この菊池事件再審開始することなくして、法治国家たり得るのか、憲法によるところの立憲国家たりうるのかが問われている」
菊池事件は、ハンセン病とされた男性が、熊本県内の自治体の元職員を殺害した罪に問われ、無実を訴えながら死刑が執行されたものです。
2020年に熊本地裁は、男性が隔離先で事実上、非公開の「特別法廷」で裁かれたことを憲法違反とする判決を下しました。
その翌年に遺族らが裁判のやり直しを請求し、裁判所・検察・弁護団が非公開の場で協議をしていました。
これまでの協議の中で、弁護団は、刑事法の専門家や法医学者・供述心理学者の証人尋問を申請。凶器とされている短刀では、致命傷となった傷を形成できない点や当時の目撃証言の信用性を指摘し「憲法違反がある裁判は再審事由にあたる」と主張。
弁護団によると、検察側は「裁判自体の違憲性について、刑事訴訟法の再審事由に規定されておらず、再審は認められない」などと主張してきたとということです。
最後となった7日の協議は、弁護団がこれまでの主張を総括して説明し、終了しました。
弁護団
「弁護団としてやるべきことをやり切ったという実感はある」
熊本地裁は、来年1月末までに再審開始について判断すると弁護団などに説明したということです。