熊本県の俵山で行方が分からなくなっていた女性が、1日未明に見つかりました。けがなどはなく、命に別状はないということです。
警察によりますと、31日午後6時前、俵山に登っていた60代の男性から「下山中に妻とはぐれた」と通報がありました。
夫婦は31日午前9時半ごろに俵山峠展望所を出発し、午後2時すぎにはぐれたということです。
警察と消防がおよそ20人体制で捜索し、1日午前0時50分ごろ、山頂から南西におよそ700メートルの西原村の護王峠付近で、うずくまっている女性を発見しました。
けがなどはなく命に別状はないということです。
女性は「ルートが分からなくなり迷っていた」と話しているということです。
■登山アプリ、モバイルバッテリー準備を
熊本県警によると、県内の山岳遭難は毎年20件、20人前後を推移していますが、去年は少し増えて22件、29人で、このうち3人が亡くなっています。
県警は「登山ブームもあり、登山者は増加傾向にある。しっかりと準備をした上で臨んでほしい」としています。
どのような準備や心構えが必要なのか、シェルパ熊本本店の山本康介さんに聞きました。
まずは、仲間で声をかけあえる位置で登山、下山してほしいということです。バラバラでの行動は避けてください。
次に、道が枝分かれする所など分岐点では、GPSやアプリで進行方向を確認してください。アプリのダウンロードは事前にしておきましょう。
今回の遭難ケースでは、夫婦がはぐれたあと、しばらくしてから携帯電話の電池がなくなり、連絡が取れなくなってしまいました。
この点については、連絡がとれるうちにGPSやアプリを使って、現在地の位置情報を送信しておくこと、そして、その場からむやみに動かない方がいいということです。
また、モバイルバッテリーも備えておく必要があります。
しっかり準備をして登山を楽しみましょう。