今回の大雨で、熊本市の中心市街地が大規模に冠水しました。
(11日未明リポート)
「熊本市中心部にある熊本市役所です。先ほどから雷がなり続き、大粒の雨が降っていて、タイヤが隠れるほどの水位となっています」
中央区下通1丁目に設置された防犯カメラの映像です。
11日午前3時ごろに雨脚が強まり、ゴミ袋が流され始めます。
20分ほどで、足首近くまで冠水したことが分かります。
溢れた水が、地下に滝のように流れ込んでいきました。
熊本市役所裏の駐車場は地下が浸水。12日からポンプを使った排水作業をはじめ、14日ようやく、被害の全容が見えてきました。
管理関係者
「わかっているだけで9台水没している状況。(10日)午後9時半には全然こんな状況じゃなかった。10日の深夜からの集中豪雨で、私が11日の朝7時に出勤したら、水没状態」
車には、サイドミラーあたりまで浸水したあとが残っていました。
完全に水が抜けるまで、あと2日ほどかかりそうで、駐車場の営業再開の目処は立っていません。
■要因は「内水浸水」
各地でこうした被害を起こしたのは、降った雨の排水が出来ず道路などに水があふれる「内水浸水」という現象でした。
熊本市は昨年度、1時間に153ミリが降った場合の浸水範囲や深さを想定した図を作っていました。
熊本市河川課雨水対策室
「内水浸水想定区域図は、川からあふれる洪水を想定したものではなくて、降った雨がはけきらずに浸水しているところを想定したものです。概ね事前に想定した浸水箇所で浸水が発生していると思われます。ただ詳しくは今後調査を進めて、明らかになっていくと考えています」
熊本市によると、今回の「内水浸水」は下通アーケード周辺など中心市街地で発生、なかでも、中央区の城東地区を中心としたエリアは、雨水と汚水を合わせて処理する「合流地区」で、設備が古く、近年の大雨を処理することが困難だといいます。
熊本市の「下水道浸水対策計画」では、この合流地区を含めた9つの対策重点地区で、調整池や雨水を一時的に貯める貯留管の設置などを進めていますが、対策工事が追いついていないのが実情です。
熊本市河川課雨水対策室
「中心市街地あたりは、すぐに工事はできませんので、みなさんへの速やかな情報伝達や身を守るための啓発活動そういったソフト対策を中心に実施します」