任期満了に伴い、31日に投開票が行われた八代市長選挙。熊本県第2の都市の新しいリーダーを選ぶ戦いを制したのは、新人の小野泰輔さん。4期目を目指した現職の中村博生さんに、およそ1万5千票の大差をつけて制しました。非自民系の市長が誕生するのは12年ぶりです。
小野さん
「すべての課題が難問だらけですね。人口減少社会や南北格差、それから高齢化。日本社会全体で直面しているすごく難しい問題を、この八代から解決の手がかりをみんなで模索し、チャレンジしていく」
東京都出身の51歳。蒲島前知事の東大時代の教え子だったことがきっかけで、熊本県副知事を経験。去年まで衆議院議員も1期務めました。
選挙戦では政党や団体からの推薦を受けず、積極的な情報公開による八代市政への信頼回復などを訴えました。
小野さん
「市長が持っている情報を、市民にデジタルで公開するというのをやりたい。行政の評価を皆さんにやっていただく。その前提というのは、どういう事業をやったのか公開されていないと、評価のしようがないので、公開を徹底していきたい」
一方、敗れた中村さん。31日夜、支援者を前に敗戦の弁を述べました。
中村さん
「これまで3期12年間、皆さん方のご支援の中でやれたこと。誇りを持って、これからの生活、進ませていただきたい。思い残すことはございません。残念でありますけれども、思い残すことはございません」
自民党や公明党をはじめ、およそ100の団体から推薦を得て組織戦を展開。8月の記録的大雨を受けて、国や県との連携を生かした復旧の早期実現などを訴えましたが、前回の市長選から得票を1万票以上減らし、地盤を固めきれませんでした。
投開票から一夜明けた1日は、大雨から3週間。土砂が流れ込むなどの被害があった八代市立龍峯小学校では、延期されていた始業式が開かれました。
災害からの復興をはじめ、課題が山積するなか、市民が新市長に期待することは。
市民
「この水害に対して一日でも早く復旧できるように、皆様方の生活をより安全に、より豊かにするように願っております」
「厚生会館はものすごくよくできてるそうですよ。それでね、もうまた復活できればねと思って」
「時間はやっぱりどうしてもかかると思うんですよね。課題はいっぱいあると思うんですけれども、どうにか、もう新市長を支えたいな、市民としては。いい方向に行ってくれたらなって思っています」