「水俣病」救済の対象外とされた人たちが、国などを訴えている裁判の控訴審が、福岡高裁で始まりました。
この裁判は、2009年に国が施行した「特措法」について、対象地域の居住歴などを理由に救済の対象外とされた人たちが国や県、原因企業のチッソに損害賠償を求めています。
去年3月、熊本地裁は、原告のうち144人に対し、25人を水俣病患者だと認めたうえで、不法行為から20年が過ぎ、損害賠償請求権が消滅しているとして、除斥期間を適用し、訴えを退けました。
17日の法廷では、一審で水俣病と認められながらも、請求棄却された藤下節子さんが証人として出廷し「苦しむ私たちを切り捨てるこれほど理不尽で残酷なことがあるでしょうか」などと、原告全員を水俣病と認めるよう訴えました。
一方、被告側は、一審判決が一部の原告を水俣病と認めた部分は誤りと主張しましたが「原告らの供述や診断書の信用性に疑義がある」などとして、請求の棄却を求めました。
寺内大輔弁護団長
「私どもは、熊本地裁の判決の誤りを福岡高裁で正してもらわなきゃいけませんから、新たに証人の尋問をやる」
原告・藤下節子さん
「正当な判決を願っております」