国は、水俣病に関する住民の健康調査について、実現可能性を判断するための試験調査を、11月にも実施する方針を示しました。
水俣市で開かれた水俣病被害者団体との実務者協議の場で、環境省側が明らかにしました。
環境省は、不知火海沿岸での健康調査について、水俣病特有の感覚障害や運動失調を脳磁計などで評価する手法を検討しています。
試験調査は、天草市と上天草市を対象地域として、無作為抽出したおよそ800人に協力を依頼。このうち、40人を対象として、11月にも調査します。
検査がどの程度住民の負担になったかなどを調べる方針ですが、協議の場では、今回も批判が相次ぎました。
被害者団体
「環境省は私たちの意見に耳を傾けずに、MRIと脳磁計を用いて行うとしていますけど、これは水俣病の全容解明につながるのか」
団体側は、脳磁計の調査には、1人あたり2時間近くかかるため、大規模調査にはふさわしくないとして、この手法に反対しています。