台湾の半導体大手TSMCは、16日の決算説明会で、年内着工とされてきた第2工場について「建設が始まった」と明らかにしました。
佐藤由季アナウンサー
「第1工場の東側、第2工場建設予定地には、頻繁に工事車両が出入りし、中には多くのクレーン車が立ち並んでいます」
17日、現地では、クレーンや工事車両が動き回っていました。
第2工場では、およそ1700人の雇用が見込まれ、第1工場とあわせた総投資額は3兆円規模となる見込みです。
近くで働く人によると、1カ月ほど前からクレーン車が増え、ここ1~2週間で急速に工事が進んだということです。
第2工場をめぐっては、これまで紆余曲折がありました。
当初は、今年3月までに着工予定とされてきましたが、延期に。
その後、シーシー・ウェイCEOが、周辺の交通渋滞の改善を確認するまで着工を遅らせる考えを示したと、台湾メディアが報道。熊本県も事実確認に追われました。
今回の発表を受けて木村知事は「正式なコメントがTSMCからあったことは大変喜ばしく思っております。今までちょっとモヤモヤしていたものですから、正式に建設が始まるという表明を受けて、ほっとしているのが正直なところです。県としても、インフラ整備、渋滞を軽減するためのオフピーク運動を含めて、対策をしっかりやっていきたいと思います」と語りました。
■熊本県の土地価格への影響は?
今回の着工で、県内の土地価格へのさらなる影響はあるのでしょうか。
不動産鑑定士の石山博さんは、着工延期の報道などで、様子見に転じていた土地の買い手や進出予定企業からの需要は再び戻ってくるとみていますが、すでに工場周辺ではアパートやマンションが供給過多になっているため、住宅用地の価格上昇幅は限定的になると分析しています。
工場増設に向けて、運営するJASMと菊陽町は24日に立地協定を結ぶ予定です。