若き技能者が競い合う「技能五輪全国大会」。熊本から、時計職人を目指す青年が出場しました。
繊細な手つきで小さなパーツと向き合うのは、創業130年を超える老舗、高柳時計宝飾店の高柳賢隆さん(20)です。
「時計の見える、顔の部分なので、傷ついちゃったら台無しなので、めちゃくちゃ緊張します」
賢隆さんは、20日まで、愛知で開催されていた「技能五輪全国大会」の時計修理部門に熊本県で初めて出場しました。
「要求された範囲から1000分の1ミリでも、大きかったり、小さかったりすると減点」
時計修理部門は、故障の原因を特定し、適切な修理を行うなど、3つの課題が出され、決められた時間の中でいかに正確に作業できるかを競います。
惜しくも入賞は逃しましたが、時計職人でもある父・隆大さんは「しっかりと技術の道を突き進んで、オリンピックの全国大会にまで出れたっていうのは本当に誇らしい。師匠としては、もうちょっとスピーディーに」と語りました。
賢隆さんは「失敗して自分の足りないところを見つけたり、上手い人たちの、もっと高みを見つけることができたり、すごくいい経験ができた」と話しています。
幼い頃から時計に囲まれて育った賢隆さん。今は、滋賀の専門学校で時計の構造や組み立て方を学んでいて、父・隆大さんのように地域に愛される職人になりたいと話します。
「お客さんの思いとか、思い出とかを全部大切にしながら、喜んでもらえるような仕事をやっていきたい」