熊本大学などの研究チームが新種のイソギンチャクを発見。あの生物の「宿」を増築していました。
にゅるにゅると伸びる薄いピンクの触手。このイソギンチャク、ヤドカリと共生しています。
熊本大学・吉川晟弘准教授
「なかなか開かなくて、ずっと閉じたままで、開いてみるとピンク色できれいで感動しました」
熊本大学の吉川晟弘准教授が所属する研究チームは2017年、三重県の熊野湾沖の海底などから体長3センチほどのイソギンチャクを採集。
DNAなどを分析した結果、新種と判明しました。
このイソギンチャクは、特定のヤドカリの貝殻に付着する特徴があり、ある作用をもたらしていました。
「このイソギンチャクは、貝殻を伸ばしている。なのでヤドカリは貝を交換しなくてもどんどん大きくなることができる」
ヤドカリの多くは成長すると大きな貝に引っ越しますが、このヤドカリはイソギンチャクの分泌物が貝を増築しているため、引っ越すことなく成長を続けられるといいます。
広い海で出会った二つの生物。
万葉集の歌から引用しツキソメイソギンチャクと名付けられました。
「桃花褐の浅らの衣浅らかに、思ひて妹に逢はむものかも。桃花褐色をしている貝殻を衣のように囲っているイソギンチャクが淡い薄いピンク色、だけど薄い気持ちでヤドカリと一緒にいるわけではないという生態を表しているなと思って名付けた」
ツキソメイソギンチャクは、三重県の鳥羽水族館で見ることができます。



















