今季一番の寒気が列島を襲うなか、クマの目撃情報が止まりません。専門家は「これから寒い季節になると、家の中に侵入するクマが増えるのでは」と警鐘を鳴らしています。
■冬本番の中 クマ出没続く
辺りは真っ白に染まり、数十センチの積雪も確認できます。青森県酸ケ湯では50センチ以上の積雪を観測。
北海道猟友会砂川支部 池上治男支部長 「12月3日。外は雪です、一面真っ白。きのう全く雪がなかったのに、また一晩で雪が積もりました」
一面、銀世界となった北海道砂川市では、3日も猟友会が早朝から町を見回ります。
池上治男支部長 「上砂川町、箱わな作動していません」
朝はヒグマの痕跡は確認されませんでした。
わなの中で激しく暴れるクマ。箱わなも大きく揺れています。
この映像が撮影された岩手県盛岡市では、冬本番を迎えてもなお異常事態が続いています。
盛岡猟友会 稲葉順一事務局長 「毎日市街地に出てきているクマが複数いる。もう毎日」
今年は過去最多の122頭のクマを捕獲している盛岡市。
3頭の親子グマが同時に箱わなにかかる珍しいケースも。母グマは時折、子グマを守るような仕草も見せます。
師走でも毎日のようにクマが出没。3日朝もクマは目撃されています。その場所をよく見ると、山からは比較的距離のある街の中心部です。
稲葉順一事務局長 「民家の周りにある柿の木に取り残しや取らないところを狙って、人里に下りてくるクマが現在のクマ」
■クマがクリスマス飾り食い荒らし
冬を迎え、今まで以上に人に近付いているクマ。その瞬間を捉えた映像が…。
秋田市の住宅に設置された防犯カメラに映ったクマ。時刻は午後5時半すぎです。クマは壁際で立ち上がる様子を見せます。
この時、住民は一部始終を車の中から撮影していました。
住人 「やばい近く近く、家の前にクマがいた。家の前のリンゴを食べている」
クマは帰宅した住人をじっと見つめています。
秋田市では12月に入ってからもクマの目撃情報がすでに25件。1日、目撃されたのはJR秋田駅から車で10分ほどの住宅街です。
住民 「家の前にクマがいた。クマがいた、どうしよう。ちっちゃいリンゴ食べていた。家の前のリンゴを食べている」
撮影者は子どもを学校に迎えに行った帰りだったといいます。
自宅にクマが出没 住人 「午後5時半くらいに部活が終わってクマ対策で『送迎して下さい』と迎えに行って帰ってきたところ。帰ってきたら家の前にクマがいて、家の玄関横にリースと一緒にヒメリンゴという小さなリンゴ、食べてもおいしくない、飾りにしかならない」
住人によると、クマは子グマとみられ、クリスマス用に飾り付けてあったリースのリンゴを食べていたといいます。
自宅にクマが出没 住人 「人間がおいしくなくてもクマには関係ないから、毎年飾っていたけど今後気を付けようかなと。まさか食べられるようなものではないから」
住宅に設置された防犯カメラの映像を見てみると、クマは玄関前でヒメリンゴをしばらく食べたのちに、住人が運転する車のライトに驚いた様子で、近くにあった台を倒して立ち去りました。
自宅にクマが出没 住人 「10分くらいいた、しばらくいたらしい。完全に人慣れしているから危ない」
冬眠を控えているはずのクマが、なぜこの時期にこれだけ人に近付くのでしょうか。
過去に類を見ない出没数のクマの餌(えさ)は今。
岩手大学 山内貴義准教授 「だんだん季節が過ぎていって、標高の高い農村部食べ物がない。標高が低い畑などリンゴ、カキ。東北を見ると秋田市・盛岡市などかなり人口が多い所、標高が低く餌が豊富に残っている。そういった都市部に現れているのが現状だと思う」
専門家は、庭先のカキなどの食べ物がなくなった後がさらに危険だといいます。
山内貴義准教授 「カキが終わって食べ物がなくなった時に、今度は家の中に入って食べ物を物色し始めたりとか、そういった行動を起こすのではないかと心配している」
これから年末へかけて、より一層の注意が必要だとしています。









