
2026年熊本地震で震度6強を観測した八代市。“妙見さん”と呼ばれ、市民に親しまれてきた妙見宮(八代神社)も、地震で甚大な被害を受けました。
神幸行列の笠鉾がユネスコ無形文化遺産となっている八代妙見祭をはじめ、初詣、氷室祭などの舞台だった妙見宮の境内は、地震で一変しました。

「正面に元々、楼門があったんですけれども、右にずれて、倒れてしまって」
そう語るのは、宮司の小林雅彦さん。7月28日の地震が起きたときは社務所にいて、揺れを感じると同時に、外へ飛び出したといいます。
「パッと見て、本殿は大丈夫だったので、すぐに誰か下敷きになってないか確認しようと、裸足で出て」
本殿は奇跡的に無事でした。しかし、2つある楼門のうちの1つは全壊。境内には、さらに深刻な爪痕が残っていました。

「地震で隆起して上がっているような状態ですね。これが多分“日奈久断層”。お宮の横を断層が通っていた」
元々は平坦だった参道。地面は大きく裂け、約1メートルほど隆起したといいます。
「地震はまた起こり得ることかと思うので、調査をしっかり行って、被害が最小限になるように、後世に伝えていければ」
焦らずに前を向きたいと話します。

「早くというより、どっちかというと、ゆっくり。10年ぐらいかかってでも(再建を)やれればな、と思っています。この宮地の場所で、また、皆さんにお参りしていただけるような神社を作っていければなと思っています」
“妙見さん”の目の前で…

妙見宮の目の前に店を構える「妙見饅頭」の店主、長谷川沙也さんも、営業中に被災しました。
「立ってられなくて、お客さんに両脇抱えて、引きずってお店から出してもらって」
店の外に出て初めて、崩れた建物の姿を目にしたといいます。

「言葉が出ないっていうか、絶望…」
店内の床には、至る所で地割れが起き、現在も営業再開の目処は立っていません。
地域を盛り上げたいと店をオープンしたのは、2年前のこと。名物の饅頭は、地元の人や観光客に広く親しまれてきました。
「まだこの光景が、夢なのか現実なのか」
目の前の道路工事や妙見宮の再建に時間がかかることを見越して、場所を移して営業するのか、今も出口の見えない状況が続いています。
そうしたなかでも、SNSなどに届くメッセージに励まされているという長谷川さん。

「妙見饅頭を、また食べたいですとか、頑張ってくださいって、みんながついてるっていう声を、たくさんいただくので、頑張らなきゃなって」
「待ってくれてる皆さんもいらっしゃいますし、地域の名前を背負ってお店を出したので、また、やり直せたら」
八代を見守ってきた“妙見さん”のそばで、前を向いていこうとしています。
(「くまもとLive touch」より)











