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衆院選熊本3区 選挙終盤の戦いぶり

 27日に投開票を迎える衆議院議員選挙。熊本3区の終盤の動きを追いました。

 熊本3区は山鹿市、合志市、菊池郡市、阿蘇郡市、上益城郡からなる熊本3区。有権者数は31万1699人です。

 自民党の前職に社民党、参政党の新人が挑む構図となっています。

 参政党の新人・植田貴俊候補。八代市出身で、3月までの7年間、県庁の職員として勤務していました。

植田候補
「食料の安全の確保、安心の確保、これが一番に取り組んでいくべき課題。一次産業にかかわる予算を3倍にする」

 半導体関連企業の進出による一次産業の衰退を危惧。食料自給率のアップを公約に掲げ、農業と工業のバランスを見ながら、地域振興を図りたいと訴えています。

植田候補
「このままだと、どんどん農地が工業用地などに転用されていって、熊本の基幹産業である農業が衰退してしまうんじゃないかという危機感を抱いています」

 また、積極財政による経済成長で失われた30年に終止符を打つとし、消費税の減税や社会保障の最適化により国民の負担を減らしたいと主張しています。

 8回目の当選を目指す自民党・前職の坂本哲志候補。公明党や農政連など300団体から推薦を受けています。

 自民党の国会対策委員長を務める坂本候補。岸田政権では農林水産大臣を経験したことから、他県の候補の応援に駆り出されるなど県内外を行き来しながらの選挙戦です。

坂本候補
「地方を守るための仕組みを作っていかなければなりません。物価が上昇した分のしっかりとした下支え、これは補正予算を組んでやっていかなければいけない」

 地方創生臨時交付金の充実など経済対策を訴えるほか「食料・農業・農村基本法」の改正に尽力した実績をアピールします。

 TSMC進出に伴う課題には、内閣府に設けた交付金を財源に対応していくとしています。

坂本候補
「まず(TSMCの)周辺のインフラ整備です。道路網含めて、排水処理含め、それから自然環境を守る事、それはそのまま地下水を守る・農地を守る農地の場合は、生活圏も守ると」

 社民党・新人の橋村りか候補。野党統一候補で連合熊本が支持しています。
 
 社民党が九州を最重要区とするなか、菊陽町にルーツがある福島みずほ党首とともに政権交代を訴えます。

橋村りか候補
「苦しい、つらいと声を上げることができる。その声に寄り添ってともに生き、涙を流し、ともに喜ぶそのような社会をもう一度私たちの手元に取り戻そう、その戦いです」

 橋村候補は、重度の障がいがある娘を6年前に亡くした経験から、医療的ケアを必要とする子どもの支援に力を入れるとともに、給食費の無償化をはじめ教育環境の整備を進めたいとしています。

橋村候補
「本当の意味でのインクルーシブ教育、誰でも一緒に生きていくことができる社会を子どもたちと一緒に作っていきたい。まずはそこから子どもの教育」

 また、TSMCの進出で課題となっている渋滞解消や農地確保地下水の保全などについては、まずは現場の声をすくい上げたいとしています。

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