「山に行きませんか」と誘いがかかった。つい10日前には天草でウェイクボードに挑戦したばかり。今度は山かと思った。しかし、案内書を見ると、「整備された登山道のトレッキングで、初心者でも歩ける」とあったので、参加することにした。断わっておくが、遊びに行くわけではない。熊本経済同友会の「水と農業の視察研修」なのだ。その中で「九州の水がめ」と言われる九州脊梁山地も視察しようということだった。

集合場所に行ってみると、どうも雰囲気が違う。ほとんどの参加者が登山靴トレッキングシューズで、リュックも背負っている。ボクは普通の靴で、手提げバッグの軽装。おまけに会社役員や支店長クラスなどの同友会の会員は数人で、大半は若い人が代理参加ではないか。ガイドの話を聞くと、目的地は熊本と宮崎の県境近く。九州百名山のひとつで、脊梁山地で2番目に高い標高1684mの向坂山だという。ちょっと待ってくれ。なにが「初心者でも歩ける」だ。ボクは一瞬、行くのを止めようかと思ったが、プライドが許さなかった。こうなれば乞食の帽子(破れかぶれ)だ。

それでも頂上に立つと、北側には阿蘇、久住、祖母、傾などの山脈が見える。ちょっと離れた所に行くと、今度は南側に市房、高千穂、霧島の山脈がかすかに眺められる。まさに九州の頂点に登ったような絶景だ。熊本市の方向には上空に薄黒いモヤのようなものが見える。それは空気の汚れだそうだ。あの下で生活しているのかと思うと、ゾッとする。

下っては登り、下っては登りを繰り返す。周囲にブナの原生林が広がる。巨木が多く、なんでも西日本一ということだ。登山道の片側にはシカ除けの網が張ってある。その反対側は地表を覆うチザサ(チゴザサのことか)がシカに食い荒らされ、地面がむき出しに。保水力がないため、雨水が土を削り、やがては大木も枯死してしまうとか。このままでは先日の奈良の山間部で起きたようながけ崩れ土石流が熊本の山地で発生する恐れもある。水がめが崩壊するとなると、緑川水系に与える影響も大きいだろう。まさに視察の意味はそこにあったのだ。重ねていうが、ボクは単に遊びに行ったのではない。

次第に下山していくと、峠道に差し掛かった。霧立峠関所と表示してあった。かっては五ヶ瀬と椎葉を結ぶ道で、馬子が馬の背に荷駄を積んで通ったとか。平家の落人もこの道を辿った。西南戦争の時は、御船の戦いに敗れた西郷隆盛も、この峠から人吉に逃れていったそうだ。そんな話を聞くと、この峠が由緒ある場所に見えてきた。それにしても昔の人達は、こんな山奥をよく通ったものだ

この峠からは下り坂の連続。足がガクガクしてきた。俗に言う「膝が笑う」というやつだ。中にはフーフーいう人もいたが、ボクはまだ元気そのもの。小走りに近い歩調で下山した。一緒に行った人がびっくりしていた。多分、「年の割には」という思いなのだろう。これもゴルフあっちの高台、こっちの谷間とボールを飛ばし、それを探し歩くので、足腰が強くなったのに違いない。

さて、ここでタネ明かしをすると、この山にはスキー場があり、山頂の近くまでマイクロバスで行くことができるのだ。それでも徒長しているヤッコダコは登れないだろう

ヤッちゃんのタメ口

まったく、途中まで感心して読んだオレ様がバカだったぜ
どうせなら山頂に自らの汚れた心も置いてきてくれたら良かったのになあ~。少しは汚れた空気にまみれて日々頑張っているオレ様たちKABの社員のことを考えただろうか?
体の丈夫さをアピールしていたが、そもそも社員が苦労して稼いだお金でゴルフに行っただけじゃないか、まったく!?

しかし、歩くということはいろんな意味で心身の鍛練リフレッシュにいいらしい。先日四国を回った時、辛い道のりだろうに爽やかな表情の人に何人も出会った。ある若者はオレ様とオートバイを見て「大変ですね」と言った。その言葉にはいろんな意味があったんだろうな!

鍛えると言えば社長様の趣味がウォーキングだ。かなりの距離を歩く本格的なものだが、あの立派な人格にはそこも影響があるんだろうな!(何度も言うがオレ様は社長様派だ!!)改めて会長に爪の垢を飲ませたいものだ。