
地震により隣の空き家が倒壊した場合、責任の所在は?被災地で新たな課題が浮上しています。
「夜中3時くらい、とてつもない音と振動で目が覚めて。おかしいなと思って外に出たら、倒れちゃっていて」
こう話すのは、熊本県八代市に住む平川さん。熊本地震から2カ月が経った9月29日、隣の空き家が倒壊しました。
7月の地震で震度6強を観測した八代市。地震後に、隣の家が大きく傾いていることに気づいた平川さんは、2日後に市へ連絡しました。

所有者の特定など、時間を要すため「半年ほどかかる場合がある」と告げられたといいます。

「半年となると、その間に崩れちゃうんじゃないかと思って、もし半年の間に崩れたら、どこが補償してくれるんですか、と役所の方に伝えたんですけど、ただただ、待つことしかできなくて…」
地震から2カ月が経ったころ、ようやく、隣の家の持ち主と連絡をとることができました。持ち主によると、9月7日に緊急解体を申し込んだそうですが、解体がいつ行われるのかは分からないままでした。
こうしたなか、9月29日の雨の影響で、隣の家はさらに傾き、倒壊しました。

崩れた建物の一部は平川さんの敷地に。瓦は散乱した状態です。築3年の自宅の壁には、地震の直後にはなかったという傷も。隣の家が倒壊し、柱などが壁に突き刺さったことが原因とみられています。
10月2日には、持ち主と解体業者を交えて話し合い、翌日から隣の空き家を解体することが決まりました。
「保険とかお金の問題が一番、どうなるんだろうというのが正直あります」
地震保険が活用できないのか。保険会社に相談しましたが「発災から時間が経過していることもあり、保険の適用は難しい」と言われたといいます。

被害を受けた自宅の修繕費をどう捻出するのかなど、今も、多くの不安を抱えています。
隣家に関する相談相次ぐ…
八代市によると、隣家に関する相談は、100件以上寄せられているそうです。
「くまもとLive touch」コメンテーターの渡辺絵美弁護士は、法的には「工作物責任」と「不可抗力」の2つが問題になると指摘します。
もともとの設置に問題があったかどうか、つまり、想定される地震に耐えられる建物だったかどうかという点です。
さらに、公費解体ができる状態にもかかわらず、あえて放置していた場合には、新たな責任が生じる可能性もあるということです。ただし、個別のケースによって判断は異なるとしています。
地震が起きる前にできることは―
近隣に空き家がある場合には、事前に所有者を調べ、連絡を取っておくことが重要だといいます。
一方、空き家を所有している側にも意識の変化が求められます。
渡辺弁護士は「空き家対策措置法があるので、行政や行政が指定している法人に相談して、利活用するか、場合によっては先に解体するかを検討しておくことが大事」と話しています。
(10月7日放送「くまもとLive touch」より)













