■再び人里近くへ 都内も出没
東京都内にある牧場のカメラが捉えたのは、成獣とみられる1頭のクマです。
度々クマが出没 東京牧場 中川利光代表 「牧場の会社の住宅、スタッフの宿泊施設もあるので夜は(外に)出ないように」 「(Q.宿泊施設はどのくらい離れている?)この場所から30メートルくらい、すぐ近くを通っている。しょっちゅう通り道になっている。夜が多いが、人の気配がなければ昼間も歩いている」
今月に入り、何度もこの場所に現れているといいます。
檜原村の牧場では、以前から敷地内にクマが度々出没。ブランド鶏の「東京うこっけい」を飼育する小屋に近付いてきます。すると…。
中川利光代表 「電気柵を張っていてもしょっちゅう(クマが)来るから、人が行っても危ないので閉鎖した」
人がクマと遭遇して被害が出ることを懸念しています。
中川利光代表 「釣り人がこの場所を利用して(川に)下りる。(クマと)遭遇する危険性が高いので、(映像を)出して注意喚起している」
今、東京をはじめ首都圏で相次いでいるクマの出没。
神奈川県では、市街地に隣接する山で住民が懸念する問題が起きています。
近隣住民(80代) 「この間、一度(クマを)捕まえて丹沢の奥へ連れていったと安心していたが、また戻ってきちゃったみたいで、戻ってくるとやっぱり怖い」
クマが現れたのは、秦野市にある「弘法山公園」の近くです。公園の近くで自治体がクマを捕獲した後、そのクマを山の奥に放すと…。数日後、同じクマが再び公園の近くに戻ってきたのです。
27日、番組の取材班は、地元猟友会とともにその現場へ。
神奈川県猟友会秦野支部 吉田益雄支部長(76) 「ここがクマが出たところから約50メートル下の道路。この場所にはどんぐりが非常にあって、足の踏み場もないほど」
公園の周辺では今月11日からクマの目撃が相次いでいました。
公園は住宅街から近く、秋が深まるこれからの時期は人気の紅葉スポットとして多くの観光客や登山客が訪れます。
目撃情報を受け、公園内にカメラを設置すると、今月13日にクマ1頭が撮影されました。その翌日、秦野市は訪れる人たちの安全性を確保するため、登山道を封鎖しました。
吉田益雄支部長 「わなをかけるために下見に立ち会った。そこでわなをかけて1回目は捕獲された」
先週、捕獲されたクマは雄で体長およそ1メートル40センチ、体重101.3キロでした。
秦野市はクマに発信器を取り付け、山の奥に放つことにしたのです。ところが…。
吉田益雄支部長 「一時は(登山道を)開けたが、またクマが戻ってきたのでまた閉めた」
クマを放ってから3日後、予期せぬ事態が起きます。公園近くの峠に設置したカメラに、クマが歩く姿が映っていたのです。
追跡用の機器に反応があったことから、山に放ったクマと同一の個体であることが分かりました。
吉田益雄支部長 「放獣したクマが2度目に来たのは、あんまりない」
■“20年前の決定”クマ放したワケ
近隣住民(80代) 「なんで(クマを)戻したのかなと思って。やっぱり近いから怖い、また戻ってくるかもしれない。どこを歩くか分からない、街中にも来るかもしれない」
なぜ一度、捕獲したクマを山に放ったのでしょうか。今回の判断について、神奈川県の担当者を取材すると…。
神奈川県 「神奈川県では、ツキノワグマがレッドデータブックにおいて絶滅危惧種とされています。住民の安全確保を最優先にしつつ、クマを可能な限り保護する方針で対応しています。住宅街に下りてくる可能性は少ないとみて、秦野市と協議したうえでクマを放獣しました」
20年前の2006年に作られたレッドデータブックで、クマが絶滅危惧種に指定されていることが要因だといいます。
近隣住民(70代) 「逃がして戻ってきたらどうするのか考えていなかったのかな」
神奈川県は、今後の対応について市と協議中だといいます。
首都圏に生息するクマに詳しい専門家は…。
東京農工大学大学院 小池伸介教授 「神奈川県は1990年代、『丹沢のクマは絶滅寸前』と言われ、どう保全していくか神奈川はかなり頑張ってきた。(クマの)数も増えて分布も回復してきた。そういう意味では次のフェーズ『どうやってクマと人が共存していくか』。ゾーニング対策などを入れていかないと、『これからどう向き合っていくか』というステージに入った認識を持った方がいい」









