
メガソーラーの設置などによる無許可の森林開発を防ごうと、熊本県の木村知事は、土地取得前の届け出を義務化する条例制定について方針を示しました。
県議会の一般質問で森林の保全対策を問われ、明らかにしました。

メガソーラーなどの開発をめぐっては、無許可で森林が伐採されるなど全国的にトラブルが広がっていて、熊本県はこれまでに、阿蘇地域でメガソーラー設置の抑制を求めるエリアを公表するといった対策を取ってきました。
今の法律では、森林を取得した後、所有者が氏名や利用目的を市町村に届け出ることを義務付けていますが、熊本県は、土地を取得する前の段階で開発の目的などを届け出てもらう条例案を検討しています。
業者に対して、事前に森林開発の規制について説明することで、無許可の開発をけん制する狙いがあるということです。
全国で広がる規制の動き
メガソーラー開発をめぐる問題では、国と地方で対策に向けた動きが広がっています。
高市総理は国会で「安全、景観、自然環境などに関する規制の総点検を行い不適切なメガソーラーを規制する施策を実行する」と答弁しています。
北海道釧路市は今年、独自に「ノーモアメガソーラー宣言」を出し、建設を規制する条例を新たに設けました。北海道の釧路湿原ではメガソーラーの建設にあたり、事業者が無許可で開発を進めていたことなどが問題となっています。
釧路の場合、条例によって一定の規模以上の太陽光発電施設について市長の許可が必要となり、事業者はタンチョウなどの希少な野生生物の保全計画などの作成を求められます。

熊本県が検討する条例案では、事業者が開発の規制内容を理解していない点に問題があるとみて、土地の取得前に助言していくことになります。県はこれまで阿蘇地域でメガソーラー開発の抑制を求めるエリアを示すといった対策を進めてきましたが、自然環境と開発の調和をどう図るかが課題となっています。













