
戦後80年「戦時下を熊本の人はどう生きたか」東稜高校で企画展
2025年12月18日
戦時中や戦後の混乱期を熊本の人たちはどう生きたのか。熊本市の東稜高校が当時の資料を集めた企画展を開きます。
触れば崩れてしまいそうな古い資料の数々。戦時下の女学生が記していたのは、戦争の気配を色濃く映す言葉でした。

「私達は一層兵器増産に励みます」
東稜高校図書委員会の「アーカイブズ班」が収集・保存してきたもので、戦後80年の節目に資料展を企画しました。
軍需工場へ動員され、作業中に命を落とした菊池高等女学校の西口美津代さんの葬儀で同級生が読んだ弔辞が残されていました。
「動員の命に勇んで出発した私共でした」
「国の興亡をかけて戦う今私達は涙をふいて職場に立ちます」
このほか、戦時下に市民の思想を統制するために発行された「常会報」など、資料50点が並びます。
これらの資料は、遺族から東稜高校の教師高木康博さんに託されたものも多く含まれます。

戦後80年が経ち、市民の暮らしを伝える資料が消えゆくなか、公的機関が保存に動くよう呼びかけています。
生徒
「実際に戦況を生きた一般の人のリアルな気持ちを、資料は生々しく感じることができるので、そういうものでしか伝わらないものってあるなと思いました」

資料展は東稜高校の図書館で、21日と24日の午後に開かれます。入場無料です。