
熊本県八代市の庁舎建設をめぐる汚職事件で、賄賂を受け取った疑いで現職の市議らが逮捕された一方、贈賄側は時効が成立しています。なぜ、贈った側と受け取った側の時効に差があるのか?市民の間で、疑問の声があがっています。
現職の八代市議・成松由紀夫容疑者ら3人が逮捕されたのは、5月7日。市庁舎の建設の際、前田建設工業に便宜を図る見返りに、賄賂として6000万円を受け取ったあっせん収賄の疑いです。
5月28日には、あっせん収賄で得た賄賂6000万円のうち、約2000万円を隠した疑いで、再逮捕の3人を含め、計6人が逮捕されていますが、成松容疑者らは「2000万円は店の開業資金だった」などと容疑を否認しています。

一方、お金を渡したとされる「前田建設工業」側については、「時効」が成立しています。
賄賂を贈った側と受け取った側の時効の差について、市民からは疑問の声もあがっています。
「びっくりしました、あんなことありなのか」
「矛盾があるというか、腹立たしい感じはしますね。贈った側の時効…なんで違うのかなと思いますね」
「時間が経ったとしても、罪を償ってほしい」
贈賄の時効は3年、収賄は5年…
時効までの期間は、法定刑の重さによって定められています。贈収賄事件では、受け取った側がより重い罪とされていて、時効期間は贈賄側が3年、収賄側が5年です。

警察によると、事件を認知したのは去年10月で、そのときには、すでに前田建設工業側の時効が成立していたことになります。

熊本大学法学部の内藤大海教授によると、「公訴時効制度」の存在理由として、①証拠の散逸②処罰感情等の希薄化③犯人が処罰されていない状態の尊重、という3点が指摘されていて、現実的には、捜査の区切りによる負担軽減、冤罪の防止などの付随的な効果もあると考えられています。

ただ、今回のような官製談合の事件については、「発覚が遅くなる傾向があり、他の事件と比べて、時効までの捜査期間が短く、贈賄側の時効が成立するケースが起こりやすい」ということです。
贈賄・収賄の時効期間を同じ期間とするには、両者に対する刑罰の重さを同程度に調整する必要があるとしています。













