
豪雨災害の激甚化が進む中、熊本市の治水の方向性を示す総合計画が、1998年の策定後、一度も更新されていなかったことがわかりました。
北川議員
「平成10年3月に策定されて以降、28年間、一度も見直しがされていない。昨今の激甚化、頻発化する豪雨被害、去年の豪雨被害を鑑みても、見直す時期に来ている」
11日の熊本市議会で、自民党市議団の北川哉議員が質問しました。
北川議員や熊本市によると、熊本市の治水計画の要「治水総合計画」は、1998年に策定。合併前に策定されたことから、富合町、植木町、城南町が計画範囲に含まれていません。
また、想定する降水量も、1時間当たり60ミリなどとなっています。

去年8月に、熊本県内を襲った記録的な大雨では、1時間あたりの降水量は上天草市で123ミリ、菊池市で115.5ミリ、熊本市で87ミリと、28年前の計画の想定を大きく上回っています。

熊本市は「河川の流域ごとに河川整備計画を作ったり、市内の下水道の浸水対策計画を作ったりと、それぞれに事業を進めているので問題ない。治水総合計画を見直さないことによって、これまで支障はなかった」と説明します。
ただ、2023年に策定された下水道の治水計画には、28年前の「治水総合計画」を参照したことが記載されています。
「治水総合計画」を上位計画として、現在の市域や雨量に合わせて、河川整備計画や下水道浸水対策計画など個別の計画で事業を行っているとしています
都市建設局長
「計画策定からの期間、市民の皆様や議会に対し、丁寧に説明を行っていなかったことは反省すべき点で、重く受け止めております」
熊本市は、計画の見直しや廃止も含めて検討するとしています。
定期的な見直し、流域治水の考えも

治水の専門家である熊本県立大学の島谷幸宏特別教授は、次のように指摘します。
「気候変動の時代の中で、総合計画を定期的に見直し、それぞれの担当が上位計画に基づいて計画を立てていく、一般的なやり方で定期的に見直すための仕組みをつくっておく必要がある」
担当部局単体では治水対策に限界があるため、市全体で治水に取り組む流域治水の考え方を含んだ総合的な治水計画を示すべきだと話します。

「それぞれの部局だけで対応してるだけではなくて、まちづくりとか、市民の人とか、そういう方にも手伝っていただいて、街全体としての底力をつけていくということが非常に重要。昨年も洪水がありましたので、ぜひ、これを機会にそういう総合政策、総合的な計画を立てていただくのがいいのではないか」
激甚化する豪雨災害。市全体でどのように治水計画に取り組む必要があるのか。いま改めて考える必要がありそうです。













