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2026年1月29日 19:00
熊本への長射程ミサイル配備 駐屯地抱える熊本1区で争点化は?候補の考えは

 2月8日投票の衆院選。熊本市中央区と東区が選挙区の熊本1区は、住民の関心事のひとつ「ミサイル配備」が注目される陸上自衛隊健軍駐屯地があります。候補者の訴えとは。

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 熊本1区に立候補しているのは、届け出順に、参政党・新人の山口誠太郎さん(36)、自民党・前職の木原稔さん(56)、中道改革連合・新人の鎌田聡さん(61)の3人です。

健軍駐屯地へのミサイル配備

 2025年8月、熊本県庁を訪れた九州防衛局の伊藤和己局長は「令和7年度および令和8年度に健軍駐屯地に配備させていただきたいと考えております」と説明。今年度中に熊本市東区の健軍駐屯地に「12式地対艦誘導弾能力向上型」いわゆる長射程ミサイルを配備するとしました。

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 射程は約1000キロとされ、中国本土も射程圏内に。中国が台湾に武力行使する「台湾有事」への懸念も高まる中、ミサイル配備で他国による日本への攻撃を思いとどまらせる「抑止力」を向上させることが狙いです。

 ミサイルの配備をめぐって、地元では賛否の声が聞かれます。健軍商店街で聞いてみると―

「守らないといけないから、あまりにも受け身だけだと日本が弱くなってしまう」「やっぱり標的になる可能性があるんで相手からすると。怖いなと思います」

 熊本県各地で市民団体による反対運動が行われたほか、国会では共産党が住民説明会の開催を政府に求めましたが、受け入れられませんでした。

熊本1区の候補者の考えは

 去年10月、ミサイル問題を争点化しようと、当時の立憲民主党から手を挙げたのが鎌田さんでした。

 このとき「相手を攻撃する武器があるところは相手にとっても脅威ですから、まず、そこが狙われるのは明らかですよね」と懸念を示していた鎌田さん。1月上旬も「専守防衛から逸脱するような長射程の1000キロ飛ばせるミサイルを、この熊本で全国に初めて熊本に配置をしようとしているわけで、やっぱり、これにおかしいという声をあげないことは、おかしいと思います」と発言していました。

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 しかし、その流れを変えたのが、新党「中道改革連合」結成です。

 自民党・前職の木原稔さんは、先日の会見の中でミサイル配備の争点化について次のように話していました。

「公明党さんと連立与党の中で安全保障政策を一緒にやってきた中で(ミサイル配備を)決定したことです。中道も公明党さんは一緒になってやってきた。その中で、鎌田さんがそれをどう言われるのかによってみんなが同じだったら争点にならないですよね」

 衆院選公示日の27日、改めて鎌田さんに聞いてみるとー

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Q.長射程ミサイルの配備についてはどのようなお考えをお持ちですか?
「長射程ミサイルについては、賛否は別として、住民への説明会、これを行うべきだと申し上げていきたい」

「官房長官は(説明会を)やらないということを言われている。まずは、説明会が基本中の基本だと思っている。きちんとした説明責任、これは果たすべきということは(公明党と)一致しているので、申し上げていきたい」

 今回の選挙で、中道候補の鎌田さんを応援する立場の公明党熊本県本部の城下広作代表は「鎌田さんは立憲を離党して中道の候補者となった。考えが変わることは自然なこと。抑止力としてミサイル配備は必要だが、住民への丁寧な説明が必要」とコメントしています。

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 現官房長官で、岸田政権下では防衛大臣として長射程ミサイル配備に関わった自民党・前職の木原稔さん。27日の出陣式では「専門分野の安全保障政策の抜本的な強化、日本の平和と独立を守り抜くためには、堅実で強靭な安全保障政策へと一歩踏み出す必要を感じています」とメッセージをよせました。安全保障環境の変化を受け、長射程ミサイルの配備を含む防衛力の抜本的な強化を進めたいとしています。

 「抑止力を抜本的に高めていくということに繋がります。県議会や市議会などでも議論されたと聞いていますが、配備に反対するような決議は否定されたと聞いております」

 木原さんは、県議会や市議会の多数が配備に賛成していることから、一定の理解を得ているとし、説明会の開催については、九州防衛局のHPにQ&Aや問い合わせ窓口を公開していることなどから不要という認識を示しています。

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 「議員を決めるのは誰でしょうか。我々有権者の一人ひとりの一票です。この一票が10票100票1000票と集まれば、今の政治を変えることができるんです」と声をあげる参政党・新人の山口誠太郎さん。

 参政党県支部連合会の高井千歳会長が「国防の観点ではですね、我々もきちんと抑止力を持つというのは必要だと思っておりますので、そこは住民のみなさんに理解を求めつつ、しっかりと説明しつつですね、 抑止力を高めていかなければいけないというところです」と話すように、党としては憲法改正や安全保障をめぐって保守的な価値観を全面に掲げています。

 住民に丁寧な説明をして理解を得ながら、配備を進める必要があるとしています。

 争点化が難しくなったミサイル問題。ミサイル反対運動を行ってきた市民団体からは、反対派の候補者がいないため「投票先がない」という声も聞かれました。

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山口誠太郎候補(参政・新) 抑止力向上のためミサイルは必要。丁寧な住民説明が必要
木原稔候補(自民・前) 安全保障環境が厳しさを増す中、ミサイルは抑止力向上のため必要。住民説明会は不要
鎌田聡候補(中道・新) 賛否は別として、住民説明会は必ず必要

 また、そのほかの政策について、各候補の訴えです。

山口誠太郎候補(参政・新)
▼インボイス制度、消費税の廃止
▼子ども1人につき10万円の給付
▼食料自給率100%を目指す増産計画など

木原稔候補(自民・前)
▼積極財政による所得の向上、強い経済の実現
▼国家の危機に対応する情報分析能力向上のための国家情報局の創設
▼熊本県内の渋滞問題解消(10分20分構想の推進)

鎌田聡候補(中道・新)
▼恒久的な食料品の消費税ゼロ
▼企業・団体献金を厳格に規制
▼非核三原則の堅持

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