
2月8日の衆議院選挙で、自民党は単独で衆議院の3分の2以上となる316議席を獲得する圧勝を収めました。これにより、高市政権は憲法改正の発議に必要な勢力を確保したほか、参議院で否決された法案でも衆議院で再可決できる強力な政治基盤を手に入れたといえます。
政策決定プロセスはどう変わるのか
これまでは少数与党だったため、年収の壁の引き上げやガソリンの暫定税率の廃止など、野党の主張を取り入れた政策も見られましたが、今後はどうなるのでしょうか。
「くまもとLive touch」コメンテーターで崇城大学の今井亮佑教授(政治学)は、「参議院では依然として与党は過半数にわずかに届かない議席になっていますので、野党との政策協議を今後も続けていくことになると思います」としながらも「野党側の主張を取り入れるということは、これまでよりも減ると考えられます」と指摘します。

その理由として「今回の衆議院選挙で民意の圧倒的な支持を受けた以上、高市政権としては野党に対して必要以上に気を使う必要がなくなった」点を挙げています。
さらに「野党の側としても、直近の民意が高市政権を強く支持している以上、根本的に考え方が相容れない場合を除けば、高市政権の政策に反対しづらくなった」とも分析しています。
野党のチェック機能は?

熊本3区で9回目の当選を果たした坂本哲志議員は「日本の将来のために突っ走れという意見も出てこないとは限らない。特に若い議員たちはそういう傾向が強いと思う。あるときはブレーキ役になって党内をまとめる役割を果たしていかなければならない」と語りました。
今井教授はこの「ブレーキ役」に二つの意味があると解説します。
「今回300議席を大幅に超える議席を獲得したことで、自民党の若手議員は、非常に気持ちが高揚している」と指摘。こうした状況では「どんどん前へ前へという感じになってくるかもしれない」ほか、「永田町にはルール、マナーがありますけれども、それを知らない若手議員たちがマナーを守らないということも起こりかねない」と話します。
これまで、自民党では、派閥がこうした若手議員に対する教育機能を担ってきましたが、現在は麻生派を除いて派閥が解消されている状況で「派閥に教育機能を期待することはできない中、坂本議員のようなベテラン議員が若手議員に対するブレーキ役を果たすことは非常に意味があるになる」といいます。

もう一つの「ブレーキ役」の意味は、政権の政策に対するチェック機能だといいます。
「本来、こうしたチェック機能は野党が果たすべきものですが、今回は「中道改革連合をはじめとして、野党が壊滅状態となってしまった。政権が進める政策が民意と乖離しているような状況になったときに、それに対して、野党がチェック機能を果たすのはなかなか難しい」と今井教授は指摘します。
そのため「自民党内でのチェック機能は非常に重要となってきますが、坂本議員のようにベテランで、しかも選挙が強い議員は、執行部に対しても物を言える」立場にあり、ベテランとして政権の政策についてのブレーキ役をかける役割が期待される」と話しています。
(「くまもとLive touch」2月9日放送より)













