
11月9日に始まる大相撲九州場所。熊本ゆかりの力士たちも気合十分です。
福岡県大野城市の稽古場を訪ねると、黙々と四股を踏み、稽古に汗を流す佐田の海(38)の姿がありました。
相撲を始めたのは5歳。かつて、同じ「佐田の海」の名で土俵に上がった三役経験者の父・宏司さんの影響です。

「父にあこがれて力士になりました。幼稚園の頃からずっとなりたいと思っていて、それがぶれることなく、中学校卒業を迎えたので力士になりました」
父を見て厳しい世界だと知っていましたが、同じ道を選びました。
佐田の海は東京生まれですが、「熊本市出身」と名乗る理由があります。

「(角界に入る前)熊本市にいた1年間がすごく濃くて、周りの友達にも恵まれて、すごく楽しく過ごしたのが熊本市だったので、熊本市出身にさせてもらいました」
九州場所は毎年、ひときわ大きな声援が送られ、その声援が力になるといいます。
「人が優しいですよね、すごく応援してもらえますし、すごくありがたいです」
佐田の海を一言で表すなら「努力の人」。38歳になった今も、誰よりも熱心に基本を繰り返しています。
「稽古で意識しているのは立ち合いの高さや足の運びの確認作業。もともと、四つ相撲なので、まわしを取って、しっかり引き付けてひきつけたり、相手の中に入ったり、周りと比べて体が大きいわけではないので、そういう相撲を取っていくのが自分の相撲だと思っています」
もう一つ、佐田の海を象徴するのが「緑の締め込み」です。
「締め込みの色はその人のイメージカラーになる部分があるので、タオル、財布、カバン、キーケース、小銭入れなど緑の物ばっかりになっています。緑に愛着が湧いて緑に惹かれていってしまっています」
地元の後援会から贈られた一本の締め込みが、今では佐田の海の象徴になりました。九州場所での目標を聞きました。

「まずは勝ち越し、一つでも多く勝っていきたいと思います。その中で自分らしい相撲が一番でも二番でも多く取れればと思っています」













