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2025年11月7日 19:15
草野改め「義ノ富士」大相撲九州場所への意気込み語る

 11月9日に始まる大相撲九州場所。熊本県ゆかりの力士を取材しました。

 「義ノ富士(よしのふじ)になりました」

 福岡県太宰府市にある稽古場を訪ねると、トレーニングに励む義ノ富士の姿がありました。草野から義ノ富士に四股名を変えて初めての場所。入門から負け越し知らずの新鋭が新たな名で土俵に上がります。

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 「5月場所の後に、先代の伊勢ヶ濱親方から『そろそろ四股名をつけないとな』と言われて。いくつか候補あったんですけど『どうだ』と言われて、漢字を自分で決めた感じです。今の伊勢ヶ濱親方『義』という漢字にこだわっていて。義理人情の『義』なので」

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 伊勢ヶ濱親方は、横綱「照ノ富士」として活躍した元力士。親方となった当初から「義ノ富士」の活躍に期待していました。

 四股名は、力士にとって、もうひとつの顔。幕内や十両への昇進を機に四股名を変える力士もいれば、親方のすすめで変える力士もいます。部屋によっては「翔」や「琴」など、伝統の文字を受け継ぐことも多く、伊勢ヶ濱部屋では“富士”の名が受け継がれてきました。

 初土俵から1年6カ月。着実に勝ち星を重ね、十両2場所連続優勝。新入幕で優勝争いに絡み、先場所も勝ち越すなど、その安定感に手応えを感じています。

 「順調に初土俵からしっかり勝ち越せてきてるなという感じです。想像以上ということにしておきます。相手を起こして懐取って、早い攻めでいきたいです」

 千秋楽まで優勝争いをした7月場所では宇土市での応援会に100人が集まり、声援を送るなど、地元に愛される義ノ富士。今週、同じ文徳高校出身の輝鵬とともに熊本農業高校を訪れ、稽古を見学。相撲部員たちに胸を出し、丁寧にアドバイスしました。

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 後輩の部員たちはー

「今プロのトップで優勝争いをしているような人に、こうしていただけて、すごく光栄でした。いつか、ああいう方々と同じ舞台で戦えるように頑張っていきたいです」「筋肉の質というか、ちょっとも押せなかったです」「(宇土市立)鶴城中学校の先輩なので、目標の先輩です」

 声援を背に臨む九州場所。けがの影響もありましたが、体調を整えてきました。

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「あれ、草野どこ行った?って言われないように。義ノ富士で顔を覚えてもらいたいです。今年最後の場所なので、しっかり勝ち越して、二桁を狙っていきたいです」

 義ノ富士の名に込められた義理人情。支えに感謝し、期待に応える力士であり続ける。ご当地九州場所で新たな一歩を踏み出します。

 「今年は幕内になって帰って来られたので、さらに応援も上がってると思うんですけど、気負わず、リラックスして土俵に上がれたらいいなと思ってます」

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