
いわゆる「赤ちゃんポスト」の設置や内密出産の受け入れ開始を目指す大阪府泉佐野市が熊本市の慈恵病院を視察に訪れました。
26日、熊本市西区にある慈恵病院を訪れたのは大阪・泉佐野市の職員らおよそ20人の視察団です。

「こうのとりのゆりかごは19年目になります。193人の赤ちゃんが預けられました」
親が育てられない子どもを匿名でも預かる「こうのとりのゆりかご」について、その仕組みや利用する女性が置かれた状況などについて説明を受けました。
千代松大耕市長
「全国的に赤ちゃんが遺棄されたり、虐待を受けて死亡してしまうというような非常に残念な事件が多発している状況の中で、生まれてきた大切な命を守る最後の砦として、準備の段階に入っている」

泉佐野市は「赤ちゃんポスト」の設置と病院以外には身元を明かさず出産する「内密出産」の受け入れに向け、市内の医療機関と連携し来年度にも体制を整備する方針です。

慈恵病院・蓮田院長
「こういった女性たちに共通するのは、虐待歴であったり、過干渉が多いです」
蓮田院長は視察団に対し、予期しない妊娠で追い詰められた女性が陣痛でパニックになり、乳児の遺棄や殺害につながるケースが多いと説明。匿名で利用できるゆりかごや内密出産は、その防止策として有効だと取り組みの意義を強調しました。
行政主導での運用が実現すれば、国内では初めてのケースとなります。ただ、裏付けとなる法律は存在していません。
泉佐野市こども部長
「行政主導というところで言えば、法整備は必要と強く思っている。あす熊本市に行きますので、そのあたりも話できれば」

りんくう総合医療センター病院長
「(法整備を)訴えながらも、それがいい形のものになるように、前例を一つ、公的医療機関として作るのも、我々の役目だと感じた」
視察団は27日に、熊本市や市内の乳児院を訪問する予定です。













