自宅に頭蓋骨を飾っていました。懲役13年を求刑された男は、同意を得たうえで女性2人を殺害した「承諾殺人」の罪に問われています。
■部屋に頭蓋骨で判明 動機語る
齋藤純被告を知る人 「あんな良い子いないもの。80過ぎたおばさんにニコッと笑って…『おはよう』と。普通この辺の子だって言わない。あの子はそういう子だよ。優しいんだよすごく。『おいイケメン』と言うと『よく言うよ』なんて…」
幼少期から被告を見てきた人たちを取材しています。
齋藤純被告を知る人 「寂しかったんじゃない。部屋にこもりっぱなしで。ほとんど学校にも行かず部屋にこもりっぱなし」 「(Q.学校に行かなくなった理由は?)お兄ちゃんが亡くなった。交通事故で」
自殺願望があった女性2人を殺害したとされる男の裁判です。
これまでの裁判で齋藤被告は、小学生の頃から殺人への衝動があったこと、それは毎日のようにあったということを明かしています。
弁護側 「承諾殺人の動機は?」
齋藤純被告 「記憶しているのは小学校の中高学年から。中学生くらいから明確に殺人衝動があった」
弁護側 「殺害方法にこだわりは?」
齋藤純被告 「ない」
弁護側 「殺人衝動は毎日感じる?」
齋藤純被告 「毎日ではないがおおむね毎日。毎日といっても過言ではない。他のことが考えられなくなるくらい」
弁護側 「普通ではないと感じる?」
齋藤純被告 「はい。有効な対策が思い浮かばない」
齋藤純被告は2018年、さいたま市の自宅で、当時21歳の宮本果歩さんを同意を得て殺害した罪などに問われています。
そもそも、犯行が明るみに出たのは、さいたま新都心駅で起きた全く別の事件がきっかけでした。
おととしのさいたま新都心駅。齋藤被告は上りのエスカレーターで女性のリュックサックのポケットからスマートフォンを抜き取り、盗んだとされています。
齋藤純被告(逮捕時の供述) 「リュックのポケットから出ているスマホなどを見ると、盗めると思う衝動があり盗んだ」
この窃盗事件について調べるため、警察は被告の自宅マンションの捜索に入ります。
そこで捜査員が目にしたのは、洋室の飾り棚に並んだ3つの頭蓋骨でした。
1つは木で作られた偽物でしたが、残りは本物で、一方はネット上で購入したもの、もう一方は被害者の宮本さんのものと分かりました。
去年の逮捕時、被告が殺害したとされていたのは宮本さん1人でしたが、裁判で浮かび上がったのは、もう1人の被害者の存在でした。
浮かび上がったもう1人の被害者は、横浜市に住んでいた女性・Bさんです。
検察側(冒頭陳述から) 「被告は2014年から2015年ごろ、自殺希望者の掲示板で書き込みを始めた。寂しい人を殺せると思った。『死にたい』と送信してきたBさんと知り合った」
被告は2015年、横浜市の女性・Bさんに同意を取って遺書を書かせ、自殺に見せかけて殺害したとされています。
2人の女性を殺害したとされる被告ですが、最初の犯行からおよそ10年もの間、事件は発覚しなかったことになります。
女性2人を殺害したとされる被告の自宅近くに住む人は…。
被告の自宅近くに住む人 「(Q.被告の印象は?)ちょっと柔らかい感じはした」 「(Q.柔らかい印象?)いわゆる勤め人のサラリーマンの感じでなく、タレントさんかなと思った」
一方で被告は、家族を部屋に入れなかったと話す人もいます。
齋藤純被告を知る人 「(Q.部屋に鍵をかけていた?)と言っていた。だからそういうの(頭蓋骨)があったって分からない。あれば親だって分かる、でも入ることができない」 「(Q.被告の両親は部屋に入れない状態?)そう。そういう状態だった」
被告は法廷で、「殺人衝動」について語っていました。
齋藤純被告 「中学生くらいから明確に殺人衝動があった」
弁護側 「行動を取ったことは?」
齋藤純被告 「常日頃から散歩しながら、行き当たりばったりの人の後をつけたりした。機会があれば襲い掛かれればと」
実際に犯行に移した経験もあったようです。
齋藤純被告 「駅にいたスーツケースを引く女性をつけて、羽交い締めにして刃物を突き立てた。やめて下さいと言われたのでやめた」
弁護側 「なぜ最後までやらなかった?」
齋藤純被告 「『やめて下さい』と言われたから。あすに向かって生きている人を襲うのはよろしくないと思った」
2017年、神奈川県座間市のアパートで男女9人の遺体が見つかった事件も参考にしたといいます。
検察側 「座間の事件から影響を受けた?」
齋藤純被告 「自宅で遺体を処理すること、自宅で殺害するという手法をまねした」
検察側 「殺害してどのような気持ちになった?」
齋藤純被告 「静かな気持ちになった」
検察側 「犯行に後悔は?」
齋藤純被告 「深くは後悔していない」
被告が“殺人衝動”の存在を明かした少年時代について、知人らは…。
齋藤被告を知る人 「お兄ちゃんが亡くなった、交通事故で。こもりっぱなしだったのが、お兄ちゃんが亡くなったら…」 「(Q.そのあたりがきっかけに)そうだと思うよ」
17日の法廷では、被害者・宮本さんの母親が心情が読み上げました。
被害者 宮本さんの母 「娘と向き合って寄り添っていれば、つらさを打ち明けていたかもと家族で泣いた。涙が止まらなかった。やっとの思いで作ったカレーライスは味も思い出せない。赤の他人に最後をみとってほしくなかった。手を触れてほしくなかった。善人とでも言いたいのかもしれないが、それは間違い。娘の命は欲求を満たすために奪われたのか」
検察側は「言葉巧みに誘導して殺害した」などとし、懲役13年を求刑しました。
一方の弁護側は「承諾殺人に至った経緯を考慮してほしい」としています。









