
11月8日に初日を迎える大相撲九州場所。“ご当所力士”は、特別な思いを持って場所に挑みます。
熊本市西区河内町出身の藤青雲。今年の3月場所で新入幕を果たすと、10勝をあげ、敢闘賞を受賞。先場所も9勝あげて、自己最高位の前頭2枚目で九州場所に挑みます。
(藤青雲)
「九州場所には、幕内で絶対行きたかったので。それも、上位総当たりの番付で帰ってこれたので、本当に良かったなと思います」
得意とするのは、四つに組んで寄り切る相撲。先場所は9勝のうち、4勝を寄り切りで勝利しました。

着実に番付を上げ、幕内上位まで上り詰めましたが、ここまでは、決して順風満帆ではありませんでした。
大学卒業後に一般企業に就職
6歳から相撲を始めた藤青雲。実家はミカン農家で、幼いころから両親の仕事を手伝ってきました。
「選果の時は、すり足と言いながらミカンのコンテナを抱えたまま車に乗せたりしてた」と母の佳世子さんは話します。
重いコンテナを運ぶ作業も、相撲のトレーニングに。こうして足腰を鍛えてきました。

学生時代は強豪・文徳高校に進学し、その後は、明治大学で相撲に打ち込みました。大学4年生では国体に出場しましたが、個人戦は2回戦で敗退。全国の舞台で思うような結果を残せず、卒業後は一般企業に就職しました。
それでも、相撲への情熱は消えていませんでした。
「社会人やってるときに、コロナ禍で、ちょうど実業団の試合がなくて。そういうときに、テレビの大相撲中継見たら、すごいキラキラしてて」

大相撲の世界に憧れ、角界入りを決意しますが、両親は猛反対。そんな藤青雲の背中を押したのが、姉の美里さんでした。

「絶対無理」という両親に「お母さんたちは間違ってる」とかけあいました。そこには、後悔してほしくない、挑戦してほしい、という思いがありました。
姉の後押しもあり、「3年挑戦して関取になれなかったら諦める」という約束で、2021年3月に角界入り。結果を出すまでは帰らないと覚悟を決め、稽古に打ち込みました。
十両昇進もけがで休場…
初土俵から2年後の5月場所で新十両に昇進します。しかし、その直後、稽古中に前十字靱帯を断裂。半年間の休場を余儀なくされました。

(藤青雲)
「やっぱり新十両上がってから膝けがしたときが、結構つらかったですね」
それでも、諦めることなく稽古を重ね、再び十両へ。そして、今年の3月場所、入門から5年かけて、念願の新入幕を果たしました。
(藤青雲)
「押し込まれることが少なくなりましたし、相手の動きについていけるようになったんで、そこが、十両の時より成長したところかなと思います」
周囲の支えを力に変え、地道な努力を積み重ねてきました。初めて幕内で迎えるご当所・九州場所でさらなる高みを目指します。

(藤青雲)
「九州場所は、しっかり勝ち越して、新三役を目指して頑張りたいと思います」













