
11月8日は「いい歯の日」。実は、熊本県民の歯の健康状態は、全国でもワーストに近く、むし歯予防ができていない現状もあります。
定期的な歯科検診行ってますか?
街頭で様々な年代の110人に聞いてみると―
「3ヵ月に1回くらい。1回むし歯になっちゃって、それから行くようになりました」
「怒られるかなとか、ショック受けるかなとかあって、怖くて行けないのもありますね」
「10年くらい行ってないね…」

街頭インタビューでは、定期的な歯科健診に「行っている」55人、「行っていない」55人という結果に。2022年の熊本県のアンケートでも「過去1年間に歯科健診を受診した人」の割合は、20歳から64歳で48.8%、65歳以上で51.3%と目標の60%を下回りました。
熊本県歯科医師会の牛島隆会長は「熊本県は、まず乳幼児のむし歯が非常に多くなっています。全国的に見ても、最下位付近にずっといるような状態で、特に1歳半健診、3歳児健診のむし歯の保有率が悪い状況が何年も続いています」と説明します。

1歳6カ月の子どものむし歯の割合を見ると、年々、減少傾向ですが、熊本は2019年度と2020年度はワースト1位。最新の2023年度は最下位を脱しましたが、全国平均には届いていません。
3歳児の有病者率も、2023年が11.42%(41位)、12歳児のむし歯数も2024年が0.8本(40位)で、全国と比較すると差がある状況です。
牛島会長よると、熊本県は甘い飲食物を与える回数や夜間、寝かしつけのために授乳をしたまま寝る頻度が多いというデータがあるとのこと。「共働きのご家庭が増えていますので、お父さん、お母さんの仕上げ磨きをする時間がなかったり、歯磨き習慣が不足していることも原因ではないかなと思います」と話します。
むし歯予防のために小学校で実施している取り組みとして、フッ化ナトリウム溶液で口の中をゆすぐ「フッ化物洗口」などがあります。熊本県によると、コロナ禍の影響で実施ができない時期もありましたが、実施率は99.4%まで改善。また、1歳6カ月に関しては、フッ化物塗布等の事業が進んでいることもあり、改善してきているそうです。
ただ、自治体によっては、歯科衛生士の不足など、体制にバラツキも。牛島会長は「健診の体制や方法、健診表そのものも自治体によって違うことがわかってきているので、今後統一していく必要があるのではないか」と話します。
40歳で半数以上が歯周病…
18歳以降感染が増え、40歳でも半数以上が罹っているのが歯周病です。細菌の感染によって引き起こされる炎症性疾患で、歯の周りの歯ぐきや、歯を支える骨などが溶けてしまう病気です。
自治体による歯周病健診の受診率は3.5%(2023年)。初期段階では、ほとんど自覚症状がないため、健診を受けないまま進行し、歯が抜ける、骨が溶けるというリスクもあります。

さらに牛島会長は「脳卒中、動脈硬化、誤嚥性肺炎、糖尿病、早産・低体重児出産、そういった色々な病気と関わっているということが分かっています」と指摘。 災害時の避難中、歯周病を引き金に肺炎を起こすなどして亡くなるケースもあると言います。
むし歯、歯周病を防ぐために
むし歯や歯周病を防ぐため、毎日続けるべき正しい歯のケアとは―

「斜め45°の角度で磨く。大きく動かしすぎずに、細かい振動を与えるイメージ」

歯ブラシは握りこむのではなく、ペンを持つようにすると、コントロールがしやすくなります。

ただ、歯ブラシで落とせるのは、6割程度。残り4割、歯の間などの汚れを落とすには、状況に合わせ歯間ブラシやフロス、糸ようじを使い分けます。しっかりと両方の歯の面に当てて、少しずつ上にあげていきます。
そして、定期的な歯科健診を習慣化することも大切だと呼びかけています。

(熊本県歯科医師会・牛島会長)
「美容院に行くような気軽な感覚で行っていただければいいのかなと思います」
(「くまもとLive touch」11月6日放送)













