
甲子園初出場でベスト8。旋風を巻き起こし、熊本の人々に勇気を与えた有明高校野球部の選手と高見監督がKABの番組に出演し、激闘の舞台裏を明かしました。
憧れの舞台「甲子園」
創部30年目で、甲子園初出場を果たした有明。
「忘れられない時間、最高の仲間と過ごせてよかったです。雰囲気もすべて違って、野球をやってて楽しい場所でした」と主将の實田選手。斉藤投手も「とても楽しいところでした。景色はとてもよかった」と振り返ります。
初戦は京都代表の立命館宇治との対戦。

高見監督は「最初は緊張してたけど、すべてが有明高校の第一歩になる。楽しんでいこう、ということだけを伝えました」と話します。

「緊張よりワクワクがあって、マウンドはとても投げやすかった」と話すのは、先発の工投手。キャッチャーの西山選手も「いつも通り、工が投げてくれてよかった。いつも通り、コーナー広く使って、打ち取っていこう」と話したといいます。

3点をリードされる苦しい展開の中、「相手に流れが行っていたので、ここ1本出して、自分たちのペースにしようと思って打席に入りました」と語るのは永田選手。反撃のタイムリーが抜けた瞬間、「クロスプレーのタイミングも微妙だったけど、セーフと聞いたときに、とてもうれしかった」と話します。

さらに9回、2アウト満塁で再び打席に立った永田選手。「みんなも打席を回してくれて、球場全体も有明高校を応援してくれたので、『打たないといけない』と思って立った。いろんな人たちの思いにこたえることができて、とても良かった」と笑顔を見せます。
この場面では、冷静な高見監督も喜びを爆発させました。
「この局面で喜びが爆発しないほうが多分おかしいと思いますので、自然とこういった形になりました。こういった場所に連れてきてもらっただけでもありがたいのに、一勝いただきましたので、選手に本当に感謝しています」
「負けないよ」2回戦の九州対決
2回戦の相手は長崎日大。高見監督にとって、長崎日大の監督は同級生という間柄です。
「練習試合もたくさんしていて、向こうに着いてからも連絡を取ったりしていました。1回戦を突破できたら当たることが分かっていたので、突破して大きな舞台で試合ができたらいいね、ということだけ話をして、どちらとも、負けたくないという気持ちが強かったので、『負けないよ』という話だけして臨みました」
この試合で光ったのが、永田選手の足でした。
「1アウトで内野ゴロで1つアウトよりも、挑戦してセーフになった方がおいしいと思ったので、迷わずいきました。甲子園は硬くてとても走りやすかった」

この試合のウイニングボールを手にした永田選手。「被災された方々、いろんな方々に見せたいと思います」と話します。
試合前にアクシデントが発生…3回戦
3回戦では、これまで先発登板してきた工投手に試合前にけがをするというアクシデントが発生します。
「本人が戻ってきて、どういう状況かを確認したところ、無理でしたので、斉藤には任せるということだけを伝えて、託しました」と高見監督。
この夏、初先発となった斉藤投手は「工がけがして自分だけになってしまったので、1人で投げ抜くという気持ちで投げました。そこは変えずに、自分のピッチングをするだけだと思っていました」と語ります。

「とてもいい仲間で、ライバルであり、頼れる存在」と工投手のことを語る斉藤投手。一方で工投手は「ライバルであり、目標。とても感謝してます」と話します。
東日本国際大昌平に先制され、迎えた8回。逆転のタイムリーを放ったのが代打の廣沢選手です。

打席に入ったとき、笑顔を見せた廣沢選手。
「緊張しても一緒だと思っていて、この場面で打てばチームを救うことができると思っていたので、本当に楽しんで打席に入ることができました」
打球が抜けた瞬間、「今までやってきたことが報われた気がして、本当にうれしかったです」と話します。
粘り強い“ムツゴロ打線”
その粘り強い打線は、“ムツゴロ打線”とも呼ばれました。
高見監督は「正直、後から振り返ってみたら、弱そうな名前だなということで、もう少し強い名前にしてほしいな、と後々思いました」と苦笑い。

ここで、西田記録員が新たな名前を提案してくれました。
「ジェットコースター打線。乗り始めたら加速して、自分たちの打線も乗ったら止まらないので」
「楽しもう、マジで」ベスト4かけた準々決勝
準々決勝の相手は健大高崎。両チーム無得点のまま、9回2アウト満塁という極限の場面で、工投手が伝令に走りました。
「高見先生からいただいた言葉を伝えて、笑顔で楽しもう、と伝えました」
一番自信のあるストレートで打者を打ち取り、ピンチをしのいだ斉藤投手。

チームは延長10回で惜しくも健大高崎に敗れたものの、初出場で見事ベスト8の快進撃を見せました。
熊本に届いた「勇気と感動」

甲子園の開幕前に大地震が襲った熊本。粘り強く、あきらめない姿勢は、勇気と感動を与えました。
西原村の出身で、10年前の熊本地震で被災した経験を持つ實田主将は、次のように語ります。
「野球ができるのが当たり前じゃないというのが、本当によく分かります。いろいろな人たちが支えてくれて野球ができていたので、感謝しています」

「ここまで応援してくださってありがとうございます。自分たちの力だけじゃなくて、いろいろな人たちが支えてくれて、この結果になったと思うので、本当にありがとうございます」
熊本に帰ってきてからも、多くの人から声をかけられたという有明。高見監督は最後にこう締めくくりました。
「この経験は、これからの熊本の野球界にしっかりと伝えて、熊本の野球界が発展していくように頑張っていきたいと思っています」
(「くまもとLive touch」8月20日放送より)













