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2026年3月7日 11:00
突然訪れた地獄…3歳の娘を殺害された女性が今伝えたいこと

 15年前、熊本市で起きた殺人事件で娘の命が奪われた女性。今、思うこととはー

 清水真夕さん。2011年3月3日、突然、家族を失い、心身に大きな負担がのしかかりました。

 「夜が明けてから、私の携帯に臨時ニュースのテロップの文字が流れました。『3歳女児遺体で発見』その文字を見た瞬間に、いや、これは違う、うちの娘ではないと…。地獄というものがあるなら、間違いなくあの時、私のまわりの時間は地獄でした」

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 当時3歳だった娘の心(ここ)ちゃんは、家族にとって、太陽のような存在でした。生きていれば、今年18歳。成人し、高校を卒業する年です。

 真夕さんは、兄弟たちの子育ても落ち着き、各地で講演活動に取り組んでいます。

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 「事件の話をするのはとても辛いです。とても辛いんですけれど、かわいそうだなというだけの話で終わってしまうのが、とても嫌なので、娘の事件を通して、生きる、強く生きるというメッセージを皆さんに届けられたらいいなと思っています」

 事件後は精神的に追い込まれ、命を絶つことも考えたといいますが、周りの人の支えなどがあり、前を向くことができたと話します。

 「(被害者)支援が、被害者やその遺族の再出発を左右します。私の経験から、そう感じています」

被害者支援の拡充へ

 犯罪被害者支援の拡充は、道半ばです。2004年に犯罪被害者等基本法が成立し、その後、策定された基本計画に基づき、さまざまな支援が受けられるようになりました。

 熊本県は、2021年、殺人や傷害などの被害者へ最大60万円の見舞金制度を導入。警察には、医療費などへの経済的負担を軽減する制度(公費支出制度)があります。公益社団法人のくまもと被害者支援センターも、県警と連携して被害者を支援。一部の市町村では、県とは別に見舞金や転居費用の助成金制度を設けています。

 真夕さんは「15年前は、被害者がやっと裁判に参加できるようになったぐらいだった。私たちの意見も取り入れていただいていると実感している」と話します。

 一方で「分かりにくい」「手続きのたびに被害状況を繰り返し説明しなければならず、精神的な負担が強いられる」などの声もあり、課題となっています。

 全国で新たな体制を整備する動きも出ています。複数の機関・団体にまたがる支援を包括的に受けられるようにする「多機関ワンストップサービス体制」です。

 また、司法の面では、法テラスと契約した弁護士への相談費用を国が支援する新たな犯罪被害者等法律援助も今年1月から始まっています。

まわりの人ができること

 突然、家族を失った真夕さん。まわりの人の支えが大きかったといいます。

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「遺族者支援って言うと、すごくテーマが重くて難しそう(に聞こえる)。でも、私が思う被害者支援っていうのは、何も特別な資格がいるわけでもなくて、ただ一つの声かけであったり、一つの寄り添いであったり、一つの理解であったり、ちっちゃな行動が、誰かのあしたを繋ぎ、大きな力に変わっていくっていうことを、私は経験してきて、それを伝えていきたいと思っています」

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